ATMお茶の間劇場 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

毎日利用しているミラノの公共機関ATM。

 

どうでもいい話なのだが、毎日いろんなドラマに遭遇する。良いことも悪いことも日本じゃあり得ないよな....と思うことばかり。

 

地下鉄やトラムではあまり見かけないが、バス、特に地元のバスではベビーカー、特にカロッツァと呼ばれる新生児や乳児が乗る大きな物で乗り込んでくる人が多い。バスの中にはベビーカーや、車椅子を止められる場所は設置されているが、その日は混んでいる時間帯にベビーカーが数台乗り込んでいた。

 

 

しかも、その前を民族の大移動か?と言うほど、大勢の子供を連れたアラブ系母子が数家族いて、大きな出入り口のある、バスの中央口は乗れる隙間さえなく、運転手の入り口から乗った。とにかく混み合っており、これ以上乗ってこないでー!と思っていたら、いきなりバスの真ん中からあたりから数人の女性の歪み合いが始まった。犬や猫がいきなり叫び合う、あれと全く同じ状況だ!

 

「混んでいるのだから、ベビーカーは遠慮しろ!」「じゃなきゃ畳め!」と言うことだった。

 

たまに誰も乗っていないベビーカーや荷物だけが山になっているベビーカーが混み合っているバスにドン!と置かれている様子はよく見かける。

 

そういえば日本では、ベビーカーの乗車拒否が問題になったことがある。ベビーカー移動がトラブルになる度賛否両論、様々な意見が飛び交うが、利用者も状況に応じた対応は必要な時もあるだろうが、何よりも、人にぶつからないように、そして急ブレーキをかけた時、動かないようベルト固定はしてほしいなあ、とは思う。

 

話は基、とにかく私の場所からは状況が何も見えなかったが、運転手に介入してくれー!と大騒ぎ。そして信号待ちで、運転手が立ち上がり「騒ぎが止まない限り出発はしない!」といい出した。勘弁してくれー!こっちは仕事にいく途中なんだよ!

 

「大体ベビーカーは何台あるんだ?」と運転手。大きさはわからないが3台あったようだ。それに対して運転手の反応はなかった。

 

ただ、大声で歪みあっている会話の中で、どちらがどうではなく、とにかく大声でもめないでよ…と思っていたのだが、「スカラファッジョ」つまり、「ゴキブリ」という言葉が聞こえて来た。それは、完全なる差別用語。それは言ってはいけない!いう方が、おかしい!とまた腹が立った。

 

私は次の停留所で降りるため、この状況からはおさらばだ!と思って場所を移動し、入り口にいた高齢者の方に場所を交代したら、「年寄りのイタリアーナはペッジョ(最悪)でしょ?」と私に声をかけて来た。年寄り?誰が…?と思っていたのだが、「イタリア人は言いたいこと言うからね。迷惑だよ!」と言うので、笑ってしまった。!少し前までその女性は運転手に、「もうバスを止めて警察を呼んだ方がいい!」と言っていたのに…。「ああいうのは、ペペロンチーノのスプレーをかけてしまえばいいんだよ!」「ペペロンチーノって知ってる?」というから、「ハイハイ」と答えたのだが、痴漢除けの唐辛子スプレーか?これまた過激すぎる!

 

するとベビーカーは降りろ!ゴキブリだ!と騒いでいた女性は「自分は86歳だ!」と叫んでいた。86歳だから、ベビーカーは邪魔で身動きが取れない、ということだったのか?すると「私の子どもが重すぎて抱っこできないからまだベビーカーが必要なのよ!」とまだまだいがみ合いは続いていた…。

 

もう勝手にしてくれ!私は降りるよ!と思い、声をかけて来たシニョーラに「アリヴェデルチ!」と挨拶をすると、「良い午後を!」と言って来た。毒舌すぎる、それこそペペロンチーノの老女だったのに、私には丁寧だったな。爆

 

混んだバスはうんざりだが、必ず何かが起きる。瞬間的にはムカッとくるが、なぜか後から笑えるお茶の間劇場だ。ただ、時間通りに着くようにしてね。

 

今日の一句

我慢せず 言ったもん勝ち?! 読む空気なし