初めてのアルバイト | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

次男が生まれて初めてアルバイトをすることになった。

 

毎月お小遣いはあげているが、それだけでは決して足りないだろう。そして、大学ではデザインを学んでいるので、何かと教材費がかかるが、それは子供のころから学資保険をためてきたので、少なくとも大学3年まではそれを使うとして、それ以降進学するのならば、成人しているので、あとは自分で考えてもらうしかない。

 

「何かアルバイトないの?」「ベビー・シッターとかない?」ときいてくるが、ベビー・シッターなんてそんなに甘い仕事じゃないよ!それに人に頼って探してもらうくらいじゃ甘い!と一喝した。

 

とはいえ、長男が一時期バイトをしていたレストランと同じ経営のラーメン屋が人を探している、といって話を聞いてきてくれた。

 

それなのに、次男は「僕はラーメン屋は頼んでいない。それに日本語は話せない。」という。家庭では日本語を話しているが、日本語補習校は1年学年を落とし、しかも小4で辞めているので、本人にとっては、家庭以外で日本語を話すことは少し劣等感を感じてしまうのだろうか?しかし、お客のほとんどはイタリア人。気にすることはない。日本人のお客が来ても、自信がなければ日本語がわからない振りをすればいい。苦笑

 

しかし、長女、長男は補習校の高等部を卒業したとはいえ、また日本人家庭であっても、日本の同年代の子とはボキャブラリーも断然少ないし、日本語を話すことを嫌うこともあったが、実際社会に出て、日本関係の仕事をしたり、長男は日本でのアルバイトもいくつかこなし、一般的には読み書きも問題なくなってきた。だから、ある程度の年齢になれば、本人の興味と努力次第では、なんとでもなると思い、放っている。

 

と言うわけで、次男は元々は自分の意思とは関係なかったが、ラーメン屋のバイトが決まった。

 

それでもマネージャーさんからシフトの件でメッセージが来たら、「なんて書いてある?」と私に即転送してきた。説明すると「なんだ、思った通りだった」と言う。我が家では唯一のイタリア生まれ、イタリア育ちなのだから、もう少しイタリア人みたいにハッタリきかせてもいいのに。爆

 

初日、仕事を終えて帰宅すると、ちょうどデザインウイークだったせいで毎日100人越えの来客なのだと言う。かなりの回転数だ。

 

イタリア人はラーメン一杯でも長居をするが流石に混んで行列にでもなろうものなら、ラーメン、餃子にビールを頼もうとも、終われば出て行かなくてはならないのはわかるだろう。あとは後片付けと次のテーブルをいかに手早く準備するかが重要だ。

 

それでも要領よく片付け、スムーズに次のお客を案内できたようで、「アルバイト、本当に初めてなの?」と聞かれたそうで、当のご本人、ちょっとご機嫌であった。


そうだよ、仕事は要領。特に飲食は臨機応変に、優先順位を察知し、動く。もちろん、コミュニケーション力も必要。気配り、目配り、スタッフ間での声掛けも必要であろう。

 

時給ははっきり言って、労働のわりに低いように思われるが、まずは経験。そこで培うものが、今後自分の糧になる。


考えてみたら、私も高校生の頃、夫婦経営のラーメン屋さんでアルバイトをしていたことを思い出した。接客から、電話応対に、レジ、そして簡単なラーメン、ワンタン類は作っていたし、餃子も握って焼いていた。出前の催促の電話は、「お待たせして申し訳ございません!今出るところです!」勝手に言えるようになっていた。笑 ちなみにそこのお宅のお子さんの家庭教師もしていた。

 

しかし、どんな仕事も、始めは出来なくて当たり前!くらいに割り切ることが大事であろう。常に学ぶ姿勢が大事。そして、一つ一つの接客を丁寧にすること。それはすべての仕事、人間関係に通じていると思う。

 

大学1,2年あたりは勉強が大変で、アルバイトをしている暇はない、と長女は言っていたが、次男は毎日時間を見つけては一日3-4時間はスケードボードや今は卓球をやっており、自転車でも動き回っているので、この時期で既に日焼けしているのだが、その時間をうまく調整し、アルバイトに充てる時間配分を学ぶことも重要。本当に無理だと思えば休むなり、辞めることもあるかもしれないが、自分の体力を考えて、遊びに出かけても、夜は早く切り上げ寝るようにもなった。良いことだ。

 

どれくらい続くかわからないが、自分の労働でお金を頂き、まずは欲しいと思っていたものを買うなり、費やすのはいいことだろう。仕事をしたくても出来ない国の子供達もいるのだから。与えられた状況に感謝し、進んで行ってくれればよいと思う。

 

今日の一句

初バイト やってポジティブ 安堵する (親バカちゃんちゃかりん!)