
本日11月18日には、イタリアの1万4000店に渡るスーパーで、Banco Alimentare Foundation (食料バンク財団)による食料収集が行われた。
日本のフードバンクとは違って、食材のアウトレット商品や期限切れが近い商品ということではない。商品棚に並んでいる米や、パン、パスタ、菓子、砂糖、飲料など様々な食料品を個人が購入し、前記財団(スーパーのキャッシャーの近くにいる)を通じて寄付するというもの。
本来は、11月の最終土曜日に行われていたが、今年はカトリック教会の「第7回貧しい人のための世界祈願日」(11月19日)も重なる週末である11月18日土曜日に前倒しで行われた。
「貧しい人のための世界祈願日」の今年のテーマは、『トビト記』にある、信仰深いトビトが息子トビアに与えた言葉、「どんな貧しい人にも顔を背けてはならない」(トビト4ː7)。この言葉は、信仰の人、良き父であるトビトが、息子トビアの旅立ちに際して与えた「霊的遺言」ともいえる教えであり、父は息子に、神を記念し祈ることはもとより、良き業を行い正義を生きるための具体的な態度が大切ということ。
貧しい人に憐み深いトビトは失明という試練を負うが、主は、トビトの息子トビアの旅を通して、再び彼の目に光と喜びを与え報いられる。
ところで、イタリアのISTAT (国立統計研究所)のレポートによると、絶対的貧困状態にある世帯は 200 万以上(全体の 8.3%、2021 年の 7.7%)、合計 560 万人(2021 年の 9.1% に対して 9.7%)。 それは南下するほどその数は増加する。未成年者のうち127万人が絶対的貧困状態にあり(国内の18歳未満の13.4%)、この状況は複数の子どもを持つ家族に最も大きな影響を与える状況であると言う。
「貧しい人々への献身への自発的な取り組みの価値を信じる多くの国民の連帯と補完性が発展しますように」。「貧しい人のための世界祈願日」に向けたパパ様のメッセージより抜粋。
本日スーパーには、15万人のボランティアが交替で食材の収集にあたった。集まった食料品(2022年には7,152トン)は、貧困層への支援に直接取り組む団体や事業に再分配されるということ。
私もパスタを寄付させていただいた。
人は皆、自分の幸せを求めることだけで精一杯で、貧しい人々への関心は少ない。また、施しに留まり、貧しい人々との正しい人間関係というのはなかなか難しい。
本日のパパ様ツイッター(本日のイタリア語版は多言語とは内容が異なる)
Oggi si svolge la #Colletta23 del @BancoAlimentare: in tanti supermercati è possibile donare la spesa per chi è in difficoltà. Ricordiamo che in ogni povero è presente Cristo: «Perché io ho avuto fame e mi avete dato da mangiare» (Mt 25, 35).
本日フードバンクの収集が行われます。多くのスーパーマーケットでは、困難を抱えている人々のために食料品を寄付することができます。すべての貧しい人の中にキリストが臨在しておられることを思い出しましょう。「私はお腹が空いていたのに、あなたは私に食べるものを与えてくれました。」(マタイ25:35)
Come sarebbe significativo se, nella Giornata dei Poveri, condividessimo il pasto domenicale con chi è privo del necessario! Se intorno all’altare del Signore siamo consapevoli di essere tutti fratelli e sorelle, quanto più diventerebbe visibile questa fraternità!
貧者の日に、必需品に恵まれない人々と日曜日の食事を分かち合うことができたら、どれほど意義深いことでしょう。もし主の祭壇の周りで私たちが皆兄弟姉妹であることを意識するならば、この友愛はどれほど際立つものとなるでしょう。
「どんな貧しい人にも顔を背けてはならない」という言葉は、こうした関係を築いてこそ、キリスト教生活全体に意味を与えるいつくしみと愛の恵みへと私たちを導くことになるだろう。
