730 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

730と書いて”sette trenta” いわゆるイタリアの確定申告のことを言う。

 

730、日本の確定申告同様、1年間の収入と支出に基づいて所得税の額を計算し、翌年に申告・納税するための手続きのことを言う。
 

副業をしているわけでもなく、勤務先で年末調整を行ってくれるため、個人で確定申告をする必要はないと思っていた。

 

しかし、確定申告をしなくていい所得額だったとしても、所得控除があったり源泉徴収の対象であったりする場合には確定申告をすることで、納めすぎた税金が還付される可能性もある。

 

ただ一人で、しかも外国語で申請するには非常に難しく、代理申請してもらい、差し引きするとトントンかマイナスだったらやるのも馬鹿馬鹿しいと思い躊躇していた。

 

その締切が10月2日。

 

ところで我が家の次男が、希望校の大学に合格。試験後、合格点を通過していたことは分かっていたが、合格者の点数の高かった方から受け入れていくので、希望の学部が人数制限を超えてしまった場合は不合格になってしまうということで、ギリギリまで安心できなかった。

 

発表日、本人は入学手続きの詳細を受けとっていたようだが、私には支払いの請求のみ転送してきたので、合格したんだよね?と疑問が残ったが無事合格とのこと。2日以内に888,59ユーロ、日本円にして14万円ちょっとの請求が来た。

 

来年5月に2回目の請求が来るがこれは家庭の収入状況によって支払い金額が異なる。収入が高く、またISEE (イゼエ)と呼ばれる所得証明の手続きをしないと最高で3000ユーロ、収入がない場合は0という事もある。

 

ちなみに長女のボローニャ大学時代、夫が一切その手続きを面倒くさがりやらなかったので、一番高い金額を払い続けた。もうパパには任せきれない!大学院からは自分でISEEを申請し、授業料を自分で支払っていた。

 

そんなこともあり、次男の支払いに関しては注意してよ!と早速連絡が来たので、「それはパパの仕事」と言うと「言い訳は聞きたくない!」とお冠!そのISEE、年明けにすればいいが、私の納税関係も関わってくるので絶対に730をやってよね!と言ってきたのだ。

 

ちなみに730を行わなかったため、数年後に罰金として1500ユーロ程度を払わされたと言う人もいる。住宅ローンや医療費の控除が無い場合も、とにかく必要なのだと...。

 

重い腰を上げ、申請を受け付けてくれるCAF ( Centro di  Assistenza Fiscali、税金申請をアシストしてくれるセンター)を探したが、意外にどこにでもあるが、営業時間がまちまち。なるべく遅くまで開いており、土曜日も開いているところが良い。

 

灯台下暗し。あったわ、近所に...どうもイタリア生まれ、イタリア育ち?のエジプト人女性の経営のところだった。

 

仕事帰りにCAFへ寄り、予約を取りたいと言うと、WhatsAppか電話予約で、と言われ、帰宅してメッセージを入れると、自動メッセージだったかもしれないが、混み合っているため、できるだけ早く連絡する、と言う内容のものだった。あゝどうしよう...のほほんと何もしてこなかった夏を悔やむ...「アリとキリギリス」のキリギリスの気分。

 

そこでまた長女から連絡。「(長女の)彼がママの申請、オンラインでやってくれるって言うから家に来てくれない?」と言うことだった。そして、「SPID持ってる?」と聞かれた。

 

SPIDとはイタリアの認証システムで、登録することにより独自のIDで市民や企業が行政機関や個人会員のオンラインサービスにアクセスできるのだが、必要あるかあ?と思いこれまた放っておいた。しかも不具合やら無くなるという噂もある。

 

逆にCarta d’Identia身分証明書の電子カードのIDを登録すればそれでも730は申請できると言うが、そんなIDあっただろうか?カードを作った際、2枚紙をもらい、2枚目に8ケタのPINコードとPUKコードが書かれていると言うのだが、そんなの貰ったかあ???まあそんなこんなで放っておいた私も悪いが、わからないことばかり...

 

とりあえず長女の家に行く前にSPIDを取ることにしたが、これまた一筋縄では行かず..。だから気が進まなかったのだ…。続く