
10月の和名は「神無月」。
一節によれば、全国のさまざまな寺院や神社にある日本の神々が家を出て、島根県の出雲大社に一堂に会する月で、「神が不在」と解釈されていたようだ。
また、10 番目の月には、時雨と呼ばれる晩秋の典型的な短い雨が降り、寒い朝にはその年の最初の霜が降る。したがって、「時雨月」と「初霜月」という 2 つの名前があるのだそうだ。
しかし、実際、日本の 10 月は晴天が多いのでは?
以前、長男が小中学生の頃、空手と野球を習っており、野球は9月から始まるが、だんだん日が短くなるので、暗くなったら終了。そして、雨の時期になるので自動的に休みが多くなり、10月末あたりから体育館での練習に変更していたのだが、ここ数年9月10月に雨が降り続いた記憶がない。
ところで、秋になり、徐々に寒くなり、また日中の時間が短くなり、陽の光も弱くなるので、よって木々の光合成の力も減る。つまり、省エネ?として、葉の働きも鈍くなっていくわけだが、その役目を終える前に、葉の色が変化する。
紅葉といっても、必ずしも葉が赤くなるわけではなく、「紅葉」「黄葉」「褐葉」の3種類ある。常緑樹というのは、秋に紅葉することはないが、葉が枯れ落ちる時は紅葉する。また杉や松などの針葉樹も常緑樹同様、枯れる時には、紅葉するのだそうだ。
幼少時からK市のド田舎に移り、イタリアへ渡るまで住んでいたが、無意識で見ていた山々も言われてみれば、秋に紅葉する木々とそうでないものがあったが、最後は必ず変化していたのを思い出す。
ところで、ミラノの我が家の近辺は菩提樹は黄葉してきている。これは、もともと葉にあった黄色色素のカロチノイドが目立つようになり、葉が黄色くなるのだそうだ。
また、トラム沿いのプラタナスやスズカケノキなどは、褐葉となる。紅葉、黄葉と同じく日照時間が短くなると葉緑素が分解されて回収され、もともと葉に蓄えられていた褐色色素が目立つようになり、葉が褐色になるという。
しかし、やはり紅葉といえば、字のごとく、紅くなる葉を見たい。
急激に気温が下がると、光合成をするバランスが崩れるが、その時葉に蓄えられていた糖分から赤色色素のアントシアンが生成され、葉が紅くなるのだそうだ。つまり強い寒さが葉を紅くする。
ミラノでもモミジは結構見かけるが、モミジで燃えるように赤く染まるイメージはない。とはいえ、現在近所のアパートの生垣の蔦が赤くなるところだ。
やはり、桜もそうだが、イタリアの紅葉を見るたびにふるさと思い、また日本の繊細さを改めて思う。
秋の深まりを感じつつ、木々の紅葉が何気ない光景に色どりを添え、郷愁を搔き立てられる今日この頃…。
