毎日ツインズ達に読み聞かせている本の中で私の好きな一冊。
はたこうしろうさんの著書。受賞歴も多い。
日本図書館協会選定図書(2004)
児童福祉文化賞推薦作品(2005)
社会保障審議会推薦文化財(2004)
全国学校図書館協議会・選定図書(2004)
そして、昨年、国際アンデルセン賞の画家賞のファイナルまで残った作品。それだけで十分世界に紹介されることだろう。
とにかくページを開いた途端に、思わず蒸し暑い日本の夏にまつわる音や色、匂い、空気を肌で感じ引き込まれてしまった。
暑い暑い夏の日。多分、7月末、お盆前後くらいの時期だろうか?主人公の少年はオオクワガタのいる山を目指して走る。
”cervo volante gigante" チェルヴォ・ヴォランテ・ジガンテ、名前が長いわ!爆
タッタッタッタッタ...少年は走る。
神社の階段を一気に登る。ハーハーハー...che fatica, che fatica, che fatica...(ケ・ファティカ、ケ・ファティカ...)
牛小屋の近くを走り、くっさーい、くっさーい!che puzza, che puzza, che puzza.. (ケ・プッツア、ケ・プッツア...)
少年の感覚が自分にも伝わってきて、そのまま読んでいると、ツインズ達も目をまん丸にしながら聞いているのだ。
lo catturerò, lo catturerò, lo catturerò...(ロ・カットウテロ、ロ・カットウテロ...) 捕まえるぞ、捕まえるぞ!
そして、
l’ho catturato, l'ho catturato...(ロ・カットウラート、ロ・カットウラート...)捕まえたーぞ、捕まえたーぞ!
クワガタを捕まえる意気込み、そして捕まえた後の嬉々とした高揚感、満悦感が伝わってきて、思わず自分も主人公と一体化してしまう。
日本人だからこそ、そして日本に住んだ経験がない限り、あの暑さや蝉の煩ささや空気の感覚を得られない。それでも読み聞かせることで、誰かを引きつけられるとはすごいことだ。
久々感動した絵本だった。


