先日まで、菩提樹やジャスミンの香りで満ちていた、ミラノ、サンシーロ地区は、今度は何気に別のいい香りがしており、上を見上げると、大木があり、高いところに白いお椀型の花が上を向いて咲いている。
大人が手を平げたくらい大きな花なのだが、残念なことに高い場所なのでちょうどよい角度で花の画像が撮れないのだが、泰山木のようだ。モクレン科だが、コブシやモクレンよりも大ぶりで香りもゴージャス。
住んでいるアパートの敷地内に咲いているのは10メートルくらいだと思うが、大きいものだと30メートルくらいの高さになるものもあるという。かなり前の話だが、この木に、隣のアパートの住人の家の猫が登ってしまい、降りられなくなって消防車を呼んだことがある。そして、すぐに再びまたその木に登ってしまったのだが、その時は、自分で降りてこられたという笑い話がある。
泰山木の花は開花するとあっという間に花が茶色くなってしまうし、意外に葉もバリバリに硬い。
和名のタイサンボクは一般的に「泰山木」と書くが「大山木」の字をあてることもあるのだそうだ。まさに大きな木だし...。いずれの名前もタイサンボクの木全体が、山のように大きく立派に育つことに由来したものだそうで、特に「泰山木」のほうは中国の名山「泰山」に例えたものといわれている。
花言葉は「前途洋々」「壮麗」「威厳」。これらの花言葉はタイサンボクの大きな立ち姿や、空に向かって咲く花の様子に由来するのだろう。スケールの大きさと生命力の強さを感じられる。
ちなみに泰山木のイタリア語名は”Magnolia sempreverde"。いつも緑、つまり常緑のマグノリア。一年中青々と葉を茂らせ、堂々とした姿に優雅でエレガントな香りを天に向かって放つ。非常にインパクトのある木だ。
今日の興泰山木の花にあり by高浜虚子
