謹賀新年 2021 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
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新年明けましておめでとうございます。
 
20年ぶりに日本のお正月を迎えた。
 
お正月と言えば、父が生存中自ら作っていた父の出身地である岩手県の郷土料理である、胡桃餅を再現してみた。
 
胡桃をすり鉢ですり、砂糖と塩で味付けし、父はお茶の出涸らしで伸ばしていた。
 
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濃厚でコクがありまろやかな胡桃の風味がたまらない。
 
ところで、毎年お正月と言えばミラノのサンタンブロージョに初詣に出かけているが、今回は地元の教会に出かけてきた。
 
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「新しい年を迎えました。一般的に時は巡り、新しい年が巡って来ますが、信仰を持つ人はまた違った次元で時を迎えます。時間と空間の恵みに感謝しましょう。」と主任司祭の説教があったが、数年前のサンタンブロージョでの元旦ミサのお説教で聞いた「クロノス」と「カイロス」について思い出した。
 
「クロノス」は人間が作った時間であり、「カイロス」は神が備え給う時間だという。
 
また、アメリカのバイデン氏が大統領選の勝利演説で旧約聖書にある「伝道の書」(コレヘト)で有名な「時の詩」を読まれた事は印象的であった。
 
>人にはそれぞれ時がある。生まれる時、死ぬ時、泣く時、笑う時...
 
それは時計で計るような「クロノス」ではなく、人生にいろいろな意味を与える「カイロス」である。神との出会いは、恵みの時、そして救いの時。
 
常に思うが、時間の使い方は命の使い方。人生という時間を大切にするためには、「クロノス」ではなく、神の時「カイロス」を大切にして生きなければならない。
 
新年を歩み始める全ての人を力づけ、苦難や試練の時も、いつも支えて下さい。希望と喜びにうちに前進することが出来ますように。神よ、新しい年を祝福して下さい。
 
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ミサの帰りがけに見た富士山