”サンタ•ルチア” | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

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今日12月13日は「サンタ•ルチア」の祝日。

 

”ルチア”とはラテン語で「光」を意味するLuxまたはLucidから派生した名前。304年にシチリアのシラクサで殉教。ルチアは拷問で両目をえぐり出されたが、奇跡が起きて、目がなくとも見ることができたという。ゆえに、絵画や像では、彼女はしばしば黄金の皿の上に自分の眼球を乗せた姿で描かれている。そんなわけで、彼女は、目、および視覚障害者、そしてシラクサの守護聖人および、ナポリの船乗りたちの守護聖人でもある。

 
ところで、前回2016年度の「サンタ・ルチア」編にも書いたが、「星の王子様」では、「大切なものは目に見えないんだよ。かんじんなものは心の目で見なくちゃ」と言っている。そこで思い出したのが、名曲「アメージング・グレース」の歌詞。
 
Amazing grace!(how sweet the sound)
That saved a wretch like me!
I once was lost but now I am found
Was blind, but now I see.
 
アメージング・グレース、驚くべき恵み、
なんと甘美な響きよ
私のように悲惨な者を救って下さった。
私はかつては迷ったが、今は見つけられ、
私はかつては目が見えなかったが、今は見える。
 
これは驚いたことに、奴隷商人ジョン・ニュートンが、黒人奴隷貿易に関わったことに対する悔恨と、それにも拘らず赦しを与えた神の愛に対する感謝の歌詞だと言う。
 
たとえ目に映っていても、心で見なければそれは見えていることにはならない。
 
物が溢れる世の中で、目に映るものばかりに心を奪われ、数値ばかりを追い求め、その結果、私達は、大切なものを見失い、目に見えない多くのものに支えられていることに気付かなくなってしまっているのではないだろうか。
 
つまり、人は欲やエゴ、妬みなどによって目が濁ってしまい、心で見ることが出来きなくなってしまう。
 
今こそ、物質の豊かさではなく、心の豊かさ、心の糧を大切にすべき時だろう。
 
サンタ・ルチア、私たちの心に光を照らし、感じる心、心の目が育つよう祈ってください。