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子供の頃、ウルシの木に触れるとかぶれると聞き、恐ろしい木だと思っていた。
たったの4日でこんなに赤くなった。
中学時代から渡伊するまでの期間、いつも通っていた道なのにこんな綺麗な木があったとは全く気づかなかった。
しかし、ウルシだと思った木はハゼの木だった。それもそのはず、同じくウルシ科ウルシ属の落葉小高木。学名は”Toxicodendron succedaneum“。
”Toxicodendron”は「毒のある木」という意味があり、ウルシほど強くはないが、かぶれることもあるので注意が必要だそうだ。
ハゼの木の花の画像を調べたら、確かに春先に見かけたような。
また日本の伝統工芸の一つとして、この実でなんと木蝋 が作られ、蝋燭のみならず、お相撲さんの髷を結う鬢付け油にこの木蝋が欠かせないと言うのだ。あの激しいぶつかつ合いでも崩れない髪。木蝋はジャパンワックスと呼ばれ欧米にずっと輸出が続いていると言うから驚いた。
ポマード、チックなどの整髪料、クレヨン、色鉛筆、食品、医薬品、口紅など化粧品のほか、トナー、インクリボン、CDなどOA機器にも使われていると言う。
髪を束ねてバラバラにしない働きと、お煎餅がくっつかないなど、この相反する働きを複合的にやってのける優れものの天然材料。まさに自然からの贈り物だ。
🎶だれかさんが だれかさんが だれかさんがみつけた
ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 みつけた
むかしのむかしの 風見のとりの ぼやけたとさかに はぜの葉一つ
はぜの葉あかくて入日色
ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 みつけた
「ちいさい秋みつけた」(サトウ・ハチロー作詞/中田喜直作曲)



