アイリスが咲いた。イタリア語ではイリス。
ギリシア神話によると、太陽の神ゼウスの妻ヘラにかわいがられていた美しくてつつましい侍女のイリスは、ゼウスに見初められて何度も求愛されたが、その都度断り続け、ヘラに「どこか遠くへ行かせて欲しい」と頼んだ。ヘラは聞き入れて、七色に輝く首飾りを与え、使者の役を命じた。そして神の酒三滴をイリスの頭にふりかけ、大空を渡る虹の女神に変えた。そのとき酒のしずくが地上に落ちて、あざやかなアイリスの花が咲いたという。イリスは神々の使者で、虹は、そんな彼女が天上と地上を往復するための大切なかけ橋であった。
虹の女神であったイリス。日本語では、「アヤメ」や「カキツバタ」「ハナショウブ」と呼ばれるが、同じものとはピンとこなかった。と言うのも、アイリスは、ヨーロッパでは、百合の花と共に聖母マリア様の象徴とされ、その花びらは三位一体を表すからだ。
アイリスの花言葉は「メッセージ」「希望」「友情」「雄弁」「賢さ」。 アイリスを見た時に感じる、凛とした佇まいが花言葉にもそのまま込められている。
ところで、フィレンツェの町のシンボルは百合だとばかり思っていた。しかし、百合ではなく、実際にはアイリスを様式化したものなのだそうだ。上記エンブレムはフルール・ド・リスとも呼ばれ、ヨーロッパの紋章や旗に数世紀によって無数に見られるものだが、フランス王家と特に深い関係を持ち、フランス入植地であったカナダの行政区や、スイスの都市シュリーレンのエンブレムでも見られるという。
フィレンツェ近郊にはアイリスの花が群生しているが、どうしてこの花が都市の紋章となったかについてははっきりわからないが、ローマ帝国時代に春の到来を祝うため、フローラ(花の女神)に捧げた祭りが4月28日から5月3日の期間に行われていた。
この時期にフィレンツェの建設が始まったので(紀元前59年)、花の町フローレンティアと呼ばれることになったのだという。この町の名前の歴史と、フィレンツェ近郊にアイリスの花が咲くことと、二つを結びつけてのシンボルなのだろうか?
また、アイリスと言って思い出すのがゴッホの絵。
アルルでのゴ-ギャンとの共同生活に破れたゴッホは、自分の耳を切ってサン・レミの病院に入院し、一週間後、5月の病院の庭に咲くアイリスを描いた。辛苦な内面とは対照的に、描かれた絵は5月の陽光のように明るく印象的。ちなみに上記の絵は、1987年、ニュ-ヨ-クの競売会で72億円という史上最高値で落札されたとか。ゴッホは、日本に憧れ、浮世絵の模写までしているが、ゴッホは絵を描きつづけることで、どんどん頭がおかしくなってくると感じ始めていたので、この絵画を「病気の避雷針」と呼んだのだそうだ。
とはいえ、此の花には毒性があるそうだ。
綺麗な花には毒がある
優しい女には毒があるby やしきたかじん 爆




