12月に入った。2019年も残すはあと1ヶ月。
12月になるとあちこちで「チャリティー•イベント」つまり慈善活動として催し物が多くある。無償で歌や演奏を披露し、人を楽しませたり、イベントで得た興行収入を寄付したり、有名人の所有物などをオークションにかけ、その売上げを寄付したり、といった形がとられることが多い。
今日も地元教会でチャリティー•マーケットがあり、収入は地域の生活の苦しい人を助ける目的に使われるということだった。
今回は、なんと私が所属している語学学校のチャリティー•コンサートが行われる。学校自体は、ONLUSといって日本のNPO同様非営利活動団体であり、私が以前いたITAMAと同じ、地域の外国人女性にイタリア語を教える団体なのだが、教師たちはもちろん奉仕であり、生徒も一銭も払わない。教室は学校や教会、公共の場などを無料で使わせてもらうが、それでもどうしても諸雑費としてお金がかかってしまうのは仕方がないこと。
しかし、イタリアでは所得税の一部を、宗教関連機関や登録された慈善団体を自分で選んで直接寄付できる仕組み(5x1000チンクエペルミッレ)が存在する。また、イタリアでは、銀行系の財団が巨額の資産を保有しており、国の歴史的建物の修復や保存、モニュメントの設置などに貢献している。
我らPunt.itももれなく?銀行のサポートがあったが、今年度の予算は過去の半額(年間1000ユーロ以上寄付してもらっていた)になってしまい、現在手持ち金ゼロ。しかも、入金されるのは、来年3月と気の遠くなるような話だ、となぜか私を含む数人の日本人生徒だけが現実を聞かされた。だからといって日本人に寄付してほしい、という話ではないと思うが、知り合いにコンサートの件を広めてほしい、ということなのだろう。(しかし、平日(それもめちゃくちゃ忙しい12月のど真ん中!)の夜8時半より辺鄙な場所なのだ...💧 一般的日本人の行動時間だとこの時間からコンサートに出かける人も少ないだろうし、しかも子供がいる人には無理だろう。それだったらチャリティー•ディナーのほうが、お金は集めやすいのでは?といったが、すでに全てがオーガナイズされていた!あちゃ〜)
演奏者は生徒の一人でもあるピアニストの知念杉子さんご夫妻。そして教師であり、本業は歌手のセレナが歌を歌う。
ところで、イタリアではクリスマスになると学校の先生やお世話になった方へクリスマスプレゼントを送る。(そして学年末にも!)それは語学学校でも同じなのだが、昨年のクラスではお金を集めるのに苦労したのだという。(ちなみに私が入学したのは、クリスマス後。)教師のほうから、自分たちにクリスマスプレゼントを考えるなら、学校のアソシエーションをサポートしてね!と話があったのだが、クリスマスプレゼントを何にする?というグループメールで、「先生がこう言ったけれど、プレゼントではなく寄付はどう?」と提案したら、思い切りブーイング。やはり、これは文化の違いなのだろうか?
先生たちにはお礼をしたいが、学校経営は別の話、という考えの人が多いようだ。しかし、経験からしてやはりこういう団体にスタッフとして参加する者は、ビジョンが同じなのだから教師=アソシエーションと考えてもいいはず。誰にお礼はするけれど、他の人や学校は話が別、という方が別だと思うのだが、どうも話がうまくまとまらず...
以前私をItamaに引き込んだラウラも、現在は我がPunt.itの先生なので、直接の担任ではない分、どう思う?と聞いてみたら、「まあここにいるアラブ人女性たちにお金のことを期待するのは無理よ。コンサートに来てくれるとも思っていない。でもクリスマスプレゼントは教師軍は欲してはいない。その気持ちがあれば是非寄付はしてもらいたいけれど、無理強いできないからね。T子は何も心配しなくていいから!」と言われた。
お世話になっている分、お礼、恩返しをしたい、と思う気持ちが皆同じではない、というのもちょっと悲しい気がした。
まあ、できることしかできないのだけれど。元同僚のItamaのスタッフたちも来てくれるそうだ!
気持ちよくコンサートを引き受けてくれた杉子さんご夫妻とセレナに感謝!
12月12日(木)20:30 〜
Spazio Teatro 89
Via Fratelli Zoia 89
