”冬の招かざる客” その2 〜 診療所の待合室 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

そのうち来るだろうと思っていたが、それは突然やってきた! 
 
咽頭炎。首の上から全てブロックしてしまった感じ。首は腫れ、喉も腫れ上がり、嚥下困難。鼻もつまり痰も出る。呼吸も辛いが、胃痛というかみぞおちを押すと痛く腰や背中が痛いのは、咽頭炎から来ただるさなのか、水曜日の空手の稽古による筋肉痛なのか不明。爆 稽古の後、シャワーを浴びたら水だったのもいけなかったのかも。
 
最近早く寝るよう、携帯電話のアプリで睡眠分析しているが、やはり睡眠不足で疲れが取りきれていないのもあるだろう。そういう意味では8月半ばからずっと走って来ていたので、そろそろ電池切れかも?!と思っていたら案の定...。
 
今朝のイタリア語のクラスの宿題、せっかくやり遂げたのに、お休みの旨メッセージを入れた。今日やるべきことが脳裏を浮かぶが仕方ない。空手も無理。
 
薬嫌いの私だが、ここは吸入治療をしないとまずいだろう。登録しているホームドクターが午前中に診療所を開けていたので出かけてきた。
 
ホームドクターはイタリアの国民保険に登録していれば、地域の好きなホームドクターを選択出来る。とはいえ、急病になったら救急かプライベートの先生の元へ飛んで行くべきで、のんびりホームドクターにかかっていたら、大きな病気を抱えている場合は、手遅れになってしまうのでは?と常に思う。
 
とりあえず健康診断書や薬の処方箋、検査予約の指示書が欲しい時のみ彼の所へ行く。彼にお世話になり、かれこれ15ー16年になるだろうか?
 
彼は診療所に午前10ー12時、翌日17ー19時、交互に予約なしの診療をしており、別の地域の診療所では逆の時間帯の診療、そして合間をぬって往診をしているのだが、近所の診療所に2人女性の医師もいる。1人は診療をし、1人は処方箋専門だとか?
 
いずれにしても、まずそこへ入ると、誰がドクターXXを待つ人の中で一番最後であるか?と聞く。混んでいる場合は、ひたすら自分の前の人が終わるのを待つのみ。
 
今朝出かけてみると6ー7人の人が待合室にいた。しかし年老いた人が多い分、夫婦で来ていていたり、親子で来ていたり、人数が把握できないこともある。私のドクターの部屋のドアが空いていたので、中には誰もいない意味なのだが、一応聞くと、皆女医を意味するドットレッサ待ちというので、ラッキー!と思っていたら、ドクターの入り口に座っていた老女が「私の前には誰もドットーレを待っている人はいなかったの?」とつかつか中に入っていった。皆いっせいにはあ?と言って顔を合わせ、訳わからない!と言うジェスチャー。
 
しばらくすると、人がいっぱい入ってきて私の後にも続いた。前の老女のご主人らしき人がドットーレの部屋にノックなしでいきなり入っていく。一瞬横入りかい?とむかっとしたくらいだ。ドットレッサの部屋から怒鳴る声が聞こえる。お年寄りは耳が遠いし、イタリア人は人の話を聞かない人も多い。たとえ相手が医者であろうと最後まで聞かず、話し始めたり、今言われた事をすぐ質問する人も多く、「ノーノーノー」と強めに言われているのが聞こえる。普段だと笑らえる光景であっても調子が悪いと勘弁してよー!と思ってしまう。
 
又、私の後の後のお婆ちゃんは、「どうなってるんだ?ちゃんと診察してるんか〜?」と悪態をつき、私の隣に座っていた老紳士が私より年上であろう息子らしき人に「もう帰れ。こんなところで時間を無駄にしてはいけない。自分一人で大丈夫。ヴァッテネー!!」とこれまた非常にきつい口調で息子を怒鳴る。あー私は頭が痛いんだよー。
 
20分ほど待っただろうか?やっと私の番が来た。「咽頭炎だと思うんです。今朝から首も腫れてきて、呼吸も辛い。」というと、聴診器をあてたが、「うーん、気管支炎ではないね。」とのこと。じゃあ何?!結局いつもの吸入の薬を処方してもらう。わかっているからドットーレのところに行きたくはないのだが、その処方箋がないと安く薬が購入できないのだ!
 
入り口で、順番待ちで何やらもめていた老女あり。もう関係ないや...と思って通り過ぎ、アパートの外へ出ようとしたら、「恥を知りなさい!」と怒鳴ってその老女が出てきた。嫌だわ、調子悪いのに...
 
その後、近所の薬局へ。その薬局にはその診療所から流れてくる老人ばかり。ママ友の薬剤師がいるが、珍しく彼女も大声を出して接客中だった。私の番が来て、喉が痛くて胸も苦しいのよ、と蚊の泣くような声で言うと小さな声で話してくれたが、何を言われたんだか全く聞こえなかった。爆
 
あ〜たまらない...
 
秋冬に 一家に一台 アエロゾル。(吸入器)
 
 
 
 
季節の変わり目、皆様も気をつけて。