福音宣教特別月間 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

カトリック教会は、毎年10月の最後から2番目の主日を、「世界宣教の日」と定めているが、パパ様は、今年の10月を、「福音宣教のための特別月間」とすることを告げられた。

 

「宣教者」と呼ばれていた教皇ベネディクト15世は、1919年に福音宣教に一貫する使徒的書簡『マキシムム・イルド』を発行。そこでは、福音にそった宣教活動によって全世界に福音を告げ知らせるよう駆り立てている。  

 

福音宣教月間とは、司牧的ないし宣教的回心の旅、宣教の使命と実践。宣教的生き方を忘れない。全ての人に対し、神の愛を証しするため国境を越える。福音の喜びに心を開く。福音を分かち合う。祈り、福音の黙想、そして日々の生活における言葉と行いによって実行し、カトリック教徒としての使命を確認し、証しできるよう努めることだ。

 

ところで、今週、日本から一時帰国中のミラノ宣教会の神父様にお会いし、ミサにあずかることができた。そこで、先月東京の教会の主任司祭に着任されたばかりの司祭のお父様が急遽お亡くなりになられ、司祭が一時帰国しており、葬儀は済んだものの、追悼ミサがあると耳にし、今朝それにあずかってきた。日本管区所属の司祭が3名、タイから一時帰国されておられる司祭にカメルーン人司祭、とキリストの愛を海外へ宣べ伝えに出ている方々との食卓を共にした。

 

それにしても、宣教師に会う度に驚かされるのが、宣教師は言葉の魔術師だということ。言語はあくまでも手段であると思うが、日本語教育の歴史は宣教師に始まる、といっても過言ではないほど、布教のため、とはいえ、彼らは短期間で日本語を習得し、駆使し福音を宣べ伝えていく。

 

今日あったインド人司祭は、英語はもちろん、イタリア語も流暢で、日本語もほぼ完璧だ。電話番号をやりとりした時も、私の名前の漢字の偏や作りの確認があり驚いてしまった。

 

また、1860年代から21世紀までに来日した宣教師たちが、福音書の和訳を作り、多くの著書を残して来たわけだが、今でもイタリア語でメッセージを書いても日本語で返事をしてくる司祭たちの多いこと!頭がさがる思いだ。

 

私の帰国時に通う教会の主任司祭でおられるイタリア人司祭は、72年に来日。現在78歳。まだまだお元気であるが、病気をしたら共同体に迷惑をかけることになるので、帰国して宣教会の老人ホームへ入るかもしれないが、理想としてはやはり宣教地に骨を埋めること、とおっしゃっていた。

 

昨年93歳でお亡くなりになられたミラノ会の司祭の納骨式に、たまたま帰国中だったので参列したが、開いた墓の下の骨壷を入れるスペースを見て、他の司祭たちはどう思ったことだろうか?80を裕に超えた司祭はミサの途中、ずっと「次は自分だ」とつぶやいていた。

 

映画「沈黙 - サイレンス」を観た後、「信仰とは?」「宣教とは?」と考えさせられたが、先日鑑賞した伊東マンショをはじめ、天正遣欧少年使節団の肖像画を見てもやはり考えた。宣教とは、道端で宣伝をしたり、訪問勧誘をし、信者を増やすことではない。宣教とは、十字架上につけられたイエスの愛を証しすること。

 

“信仰は、他者に伝えられるときに強められます”

(聖ヨハネ・パウロ2世 使徒的勧告『奉献生活』)

 

 

ともに喜びをもって福音を伝えるための祈り

喜びの源である神よ、
あなたは、御子キリストを遣わし、
その受難と復活を通して、救いに導く喜びの福音を
この世にもたらしてくださいました。
また、あなたは、キリストの後に従う働き手を通して、
諸国の民に福音を告げ知らせ、どんな逆境にあっても、
キリストを信じる人々の喜びを支えてくださいました。
さまざまな困難に直面している現代社会の中で、
人々の救いに奉仕する教会を顧みてください。
キリストの救いの喜びを
新たな熱意、手段、表現をもって伝えることができるよう、
わたしたちを聖霊によって強めてください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

 

 

 

パパ様ビデオメッセージ

https://www.youtube.com/watch?v=UwjS24MhBPg&feature=youtu.be

「今日、教会の宣教活動は、死んで復活されたイエスを告げるという挑戦を前に、新しい推進力を必要としています。

辺境へと向かうこと、まだ福音を知らない人的環境、文化的・宗教的環境へと到達することの中に、いわゆる「ミッシオ・アド・ジェンテス(諸国民への宣教)」があります。そして、教会の宣教の心臓となるものは、祈りであることを忘れてはなりません。

宣教に特別に捧げられたこの月、聖霊の息吹が、洗礼を受け、キリストの教会によって派遣されたすべての信者のために、新しい宣教の芽吹きの季節をもたらすように祈りましょう。」

 

 

福音宣教月間公式サイト(英)

http://www.october2019.va/en.html

 

https://www.cbcj.catholic.jp/2019/03/15/18723/