IKIGAI•生きがい | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

今日、イタリア人の友人から面白いメッセージをもらった。

 

「自分探し」の手本として、企業の間では今、日本語の「IKIGAI」という言葉をよく耳にする、というのだ。彼女は、空手仲間で家族で空手を習っており、毎週土曜日の稽古の後に家族で我が家の長男に日本語を習っているのだが、長男にその「IKIGAI」とは何か?と質問したら、「復活」(rinascita)と言われたのだけれど、もう少しわかりやすく説明してくれる?ということだった。

 

えっ"ikigai"ってそのままイタリア語になってるの?で、なんで「復活」???全く話が見えない...

 

調べてみたら、今年に入り、茂木健一郎氏著書の『IKIGAI 日本人だけの長く幸せな人生を送る秘訣』(新潮社)のイタリア語版が発売され、話題になっているようだし、”ikigai"というタイトルの本が意外にあることを知った。

 

  

 

著者は、<生きがい>を「生きる」と「値打ち(甲斐)」からなる日本語で「生きる喜びのこと」とその言葉の定義とともに、端的に「そこで生きる理由」と説明している。

 

しかし、なぜ長男は「生きがい」を「復活」といったのか?友人に返事をする前に本人に聞いてみた。「だって”生き返ること”でしょ?」と言う。「生きがい」が「生き返る」の名詞形を勝手に「いきかえ?」と聞き、思い込んだのか?はあ???

 

次男に、「お兄ちゃんがさあ、「生きがい」のこと、イタリア語でなんて言ったと思う?」と聞くと、やはり同じような意味の言葉をいったから大笑い。どんだけ耳が悪いのか?日本語の単語を知らないのか、がっくりしつつ大笑い。あ”〜。

 

子供達にも言葉の意味を説明し、また上記友人にも改めてメールを送った。「長男がアホすぎてゴメンなさい」

 

とはいえ、最近では”Sushi","sashimi"だけでなく、それ以外にも”hikikomori"、”tsundoku"などなど意外な日本語がそのままイタリア語として通じているから驚きだ。

 

また、全く意識していなかったが、昨年あたりからFBやInstagramなどのSNSで4つの輪が重なりあったベン図をよく見かけるようになったという。

  この重なる赤い部分が、Purpose•目的、つまり、「生きる目的はこの4つの輪が重なるところ、ということになる。納得!

 

企業で取り上げられるテーマになるというのは、やはり“人は何の為に働くのだろう?”という問いに繋がるからだろうか? しかし、イタリア人的”ikigai"発想と日本人的”生きがい”発想とではでは全く逆のものが出てくると思うんですけど...生きるために働くか?働くために生きるのか?苦笑

 

日本ではよく、“子供は私の生きがい!”とか、“私の生きがいは仕事!”など言っているのを耳にするが、それは本当に自分の人生を生きているのだろうか? 子離れできない親、自立できない若者、会社の為に自分の全て時間を費やし燃え尽きていく人...。今の日本にはこんな人であふれているような気がするのは私だけではないだろう。まあ、いいんですけどね。自分の人生ですから...

 

何れにしても、上記著書では<生きがい>の条件として「小さくはじめる」、「自分からの解放」、「調和と持続可能性」、「小さな喜び」、「今ここにいること」、の5つを挙げているという。一方でそれを見失う原因として「人は幸せになるための条件を仮定する傾向がある」ことを指摘。大きな志や夢が叶うことだけを幸せの条件とするのは自分も周囲も苦しめてしまいそう。「行為と報酬の間には時差があるし、よい仕事をしたとしても報酬は与えられるとは限らない。努力する過程こそを自分の幸福の源にできたなら、人生の重要な課題に成功したことになる」と著者。夢に向かうプロセスや、その日常にこそ<生きがい>を見つけ幸せを感じるべきことを本書は気づかせてくれるという。

 

あらためて日常を振り返り、身の回りを見渡せば、誰しもすでに<生きがい>を持っているにちがいない。

 

あなたの生きがいは何ですか?

 

http://www.bbc.com/capital/story/20170807-ikigai-a-japanese-concept-to-improve-work-and-life