以前、古着回収について書いたことがある。
日本のあるTV局から、このゴミ箱の画像を使っていいか?と問い合わせが来たが、実際つかわれたかどうかは不明。
このカソネットと呼ばれる黄色いボックス。古着屋をすてる場所で、定期的に回収されていく。ミラノ、サンシーロ地区でパラヴィア通りというと、あああそこね、と皆がいう人種の坩堝の通りがある。そこのカソネットはあまりにも、ロム(ジプシー)たちに襲撃されるので、そこから数百メートル離れた我がパロッキア(教区教会)前に移されたが、広場にあってもあまり変化はなく。
先日、夜の9時から聖歌隊の練習があり、自転車で脇を通ると、人影が...大人だか子供だかわからないが、一人、蓋の部分に上半身を突っ込み、中を物色しているようだった。体のバランスを崩し、中に落ちて、窒息して死亡する事故が過去に何度も起きているが、ロマたちは物色をやめない。それらを着ているのか?と思うと、売りさばくのだ。
ところで、我が家は近所にボックスと呼ばれるシャッター付きの駐車場を借りているが、ある夜、車を止めに行くと、並びの駐車場で目を疑いたくなるような光景を見かけた。シャッター内の車がほぼ古着に埋もれるくらい、ワンボックスカーの3分の2以上がボックの床から天井まで古着でいっぱいなのである。中に人もいた様子だが、どういう人だったかは見られなかった。ロムか?それともロムを雇っている人間か?よくメルカートでアラブ系の女性が山になっている屋台を覗くと、古着が山になっており全商品1ユーロとあるが、あれがそういった捨てられた古着なのだと思う。
それを思ったら、カソネットに捨てる気がしなくなった。本来はカリタスなどの教会関係の施設に行くはずのものが、盗まれてしまっては元も子もない。
日本ではヤオフクなどにだしてしまうのかもしれないが、高級品でなくても捨てるのはもったいない、と思うものは、常に必要とされている、孤児院やシングルマザーの家や難民のところに持っていくのが賢明だろう。
ここ数年、私も近所の修道院へ古着や靴、使わなくなったおもちゃを持って行っている。彼女たちは郊外にいくつかシングルマザーの家を経営しているので、そこで必要になるそうだ。
寄付にしても、本当に必要としている人やところにどれだけ届いているのだろう?と思う。場合によってはボランティアではなく、そこのスタッフに多くを取られてしまうこともありうるのだ。カソネットにしても、盗まれて、勝手に売られ、また道端を汚していくロム...
なんだかな...と思う日々。
