野良猫 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

我が家は日本でいうアパートの1階に当たるのだが、ある日、夫が買い物から戻ってきて車から荷物を運ぶのに、玄関のドアを開けっ放しでいた。
 
私はキッチンでアイロンがけをしていたのだが、「君はどこの子?だめだよ〜、入ってきちゃったら!」と夫が子供相手のようなイタリア語で話しているので、誰だ、誰だ、誰だ〜?と思って玄関に行くと、なんと猫が家にはいっているではないか〜!!
 
見たことのない猫であったが、子供達曰く、ジャルディーノ(中庭)によくいる猫だよ、と言う。イタリアは野良猫が多いのだが、この辺りには、自称コムーネ(ミラノ市役所)のものだ!とは言っているが、役所員というよりは、コムーネ認証?(ただ目を瞑られているだけ?)の猫に餌付けのため地域を回っている女性がいる。まあ単なる愛猫家なのだろうが、何もない広場なら兎も角、アパートの一角で餌をあげるってどうよ!でも、意外にアパートの住民はそれを黙認しているのだ。もちろん、猫達はそこで排泄し、繁殖もするわけなのに...
 
とりあえず、同じアパートでも敷地内のもう一棟の建物の方なので、私も気にはしてなかったが、ある時、まだ幼い猫が木に登ってしまい、しかも、大雨の中、降りられなくなってしまい、消防車が出動して来たことがある。もちろん、呼んだのはアパートの住民。さすがに二度目は放っておいたら、猫の方が勝手に降りてきたそうだが...
 
とりあえず、飼い主はいるが、日中は地域をふらふら徘徊している猫もいるし、野良猫も常にいる。近寄れば逃げるが、それでも歩道で日光浴をしていたり、人通りは慣れっこのよう。
 
2週間ほど前に、次男が、猫がニャーニャーうるさいよ!というので、歩道かアパートの柵に乗ってるんじゃないの?といって、窓から覗きに行くと、なんと我が家のバルコニーに入っているじゃないの!しかも、窓開けてにゃーん!とでも言うように、甘ったれた声でこちらを見上げているじゃない!はあ?
 
次男が、窓開けて!何かあげようと!という。ダメダメ!これでうちにしょっちゅう来られるようになったらまずいでしょ!しばらくして、猫は諦めて出て行ったようだが、ふと気づくとまた来ていた。
 

  

 

ある日、歩道を歩いていたら、偶然、またこの猫に遭遇。「おー、また会ったね。君はこの辺ふらふらしてるわけ?」声をかけると、ゴロニャン、ゴロニャンといって私の足にすり寄ってくるじゃないの!どういうこと? ちょっとさあ、私、本来は動物苦手なんだよね!というと、今度は仰向けになって私にお腹をみせてゴローンとする。君の深層心理なんなのさ!

 

やたら、私の目を見て、ニャーニャー言うのだ。その後もなんどもバルコニーに来ては、遊んで〜!お家にいれて〜!かまって〜!という目でガラス越しにこちらを見てはミャオー〜と言うのだ。

 

どうしたものか。でも動物苦手なのよ...