L'Oratorio estivo 2017 オラトリオ ~ その4 始まりました! | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

ついに今日から夏のオラトリオが始まった!

 

新聞によると、イタリア全体では200万人の子供達が夏のオラトリオに参加。今年初参加のアニマトーレは40万人だと言う。

 

また、イタリアには8,245もの教区教会があるという。そのオラトリオがイタリア人のカトリック信者のみならず、他宗教の子供達と共に過ごし、祈りの場を1ヶ月もつ。

 

もともとオラトリオとは、サレジオ会の創立者•聖ヨハネ•ボスコが助けを必要とする青少年のために作った学校が始まりだ。

 

社会や家族から見放されていた多くの若者達を健全な青少年に育てて行くと言う、独自の教育理念である宗教•理性•慈愛を土台とした予防教育。

 

この教育は家庭的雰囲気の中で、生徒と教師がお互いに愛と信頼で結ばれ、子供達が自ら考え、行動し、自分で納得して伸びていく教育...。裕福でお行儀のよい子供達の集まるパロッキアよりも、ある意味、私の所属する人種の坩堝、宗教の坩堝であり、経済的にも、家庭環境的にも複雑で困難な状態におり、共同生活もそうそう一筋縄にはいかないような子供達と共に過ごす方が、課題も多く、逆に各自ボランティアに与えられた使命感、そして神との信頼関係も大きいと信じたい。

 

ところで、我がパロッキア初日の参加者はアニマトーレも含め140人前後。友人のところは400人というからまだまだ少ないのだが、行ってみたら、まだケータリングの食事が届いていなかった。けれど、テーブルの水が準備されておらず、ゴミ箱のビニール袋や掃除の備品がどこに置いてあるかわからず。昨年は気が利かないアニマトーレも多かったが、やはりそれは促し方にもよる。

 

あれっ食後の果物は?毎年、隣のシスターの学校から果物の寄付がたっぷりあるが、来ていない。隙を見て、隣の学校へ走る。「えっ?昨日杏大量に運んだけれど」と言われ、今度は担当司祭のところへ走る。「あれっ司祭館に持って行っちゃった。じゃあいい、明日にしよう」しばらくして、シスターが大量のパンを持ってきてくれたが、時すでに遅し。結局全て冷凍にすることになったが、バールの冷凍庫がアイスがいっぱいで入れる場所がない!いきなり冷蔵庫の整理にかかる...私は何をしているのやら?やっと整理整頓ができたら、今度は冷凍にあったフライドポテトをしまう場所がなくなる...結局それは司祭館へ。何をやっているのやら...

 

食後、掃除の指示をしつつ、私も洗い物にバールのキッチンへ走ると、神学生がジェラート販売にてんてこ舞い。値段がわからん!というので、結局横について補佐。あまりにも暑かったので、アイスキャンデーが飛ぶように売れていたが、そういえば今日のおやつは?と思い出し、司祭に聞くと、じゃあアイスキャンデーにしよう!という。え???数足りる?冷凍庫から再び箱を取りだし、数えてみたら、残っていたアイスキャンデーは89個。足りないじゃん!毎週月曜日にアイスの卸売り業者がやってくるが、予定は17時半。おやつは17時。間に合わないじゃん!そして、お金もないじゃん!というわけで、またまた走り回り...

 

その合間に、オラトリオに申し込みたいんですが...という北アフリカ系の母子が入口に来ており対応。では明朝直接来てください、といってもまずは見学がしたいという。それはできません、といっても納得してもらえない。すると今度はベールをしたイスラム教徒の母親二人が来て、預けた子供達を連れて帰りたい、と言う。終了時間は17時半なのでその時に来てください、と言ったが、16時でもいいと言われたというが、まず有りえない。ここでも食い下がらず、二件を神学生に任せてしまう。

 

16時までの予定が気づいたら17時近くになっていた。本来の助っ人の大人は急遽ドタキャンもいたが、飛び込みで手伝いにきてくれた人も数名おり、本当に助かった。夕方はまた別の人が来るというので、もう一人の責任者が来た際、必要なことを伝えてやっと解放された。

 

そうだ!私は先週の土曜日から空手の稽古のストレッチングで無理に伸ばした足の筋肉痛に悩まされていたんだわ!どっと痛みが蘇り、ぎこちない歩き方...

 

「わたしは仕えられるためではなく、仕えるために来た」 
私たちは、そこにイエスのお姿を見なくてはならない。

 

疲れた〜。けれど、すごい充実感。誰か一人が仕切ったり、抱えることもなく、気持ち良く仕事ができた。第1日終了。