長くて短かったフィエラ最終日。期間は9日間だったが、私は1日休みを頂き、でもフィエラの前日のブースセッティングとオーナーさん方とミラノチェントロでのお買い物と夕食に同伴。結局9日間のお仕事だった。
なんと、オーナーのご主人は40年前に空手(松濤館)の指導者の一人としてイギリスに呼ばれて出かけたのがもともとだったというから驚いた。お酒も大好きで、お土産にワインもたくさん一緒に選ばせていただき、食事の前のアペリティフもシャンパン専門店にお連れし、大変喜んで頂けた。奥様も竹を割ったような方で、仕事もパキパキ。ご一緒させていただき気持ちが良かった。また社員のSは、ちょっと影のある雰囲気のあるフィリピンの女性だったけれど、私がカトリックだと知ったら、とても心を許してくれたようだ。私のことを”ともちゃん”と呼んでくれた。私の人生の中では、母や親類、なぜか一握りの友人しか私のことをそう呼ぶ人はいない。だからちょっとドキッとしたというか、私の方が人に対する壁を初めからとることができたような気がする。
ところで、初日から人は多かった。今年は、国民投票があったため、ミラノから離れない人も多かったせいだろう。そして、サンタンブロージオを挟んだ休日。9日の間唯一人の出が悪かったのは、なぜか最後から2日目。朝の入場にも勢いがなく、ただただ流れているような感じを受けた。なぜだろう?しかも、日々人の種類が違うと言おうか?お金の落とし方が違う。50ユーロ札がよく出た日。20ユーーロ札。小銭の多い日もあった。あれは不思議だなあ。
私も要領を得てからは、穴場のトイレ。穴場のカフェなどを見つけ、ちょこちょこと走っては、他者の売り子さんと仲良くなっては「儲かってまっか?」「ぼちぼちでんな」とイタリア語または、関東弁で話したものよ。笑
また、一目惚れした靴屋さんには、毎日通い込み、結局バッグも2つ購入。最後は思い切り割引していただき、逆に私がちょうど着ていた洋服を気に入ってくれたので、その作ってくれた友人を紹介することを約束し、今後どこかで一緒に仕事ができるといいわね!といってアドレス交換。いや〜、どこから繋がりができるかわからないもの。
午後に輪をかけたように人がどっと入ってきた。かなり商品が売れたので、本来は、閉店から片付け終了まで夜の11時過ぎまで出勤の依頼があったけれど、問題なさそうだ、ということで通常通り18時過ぎに仕事を終えさせていただいた。
リピーターのお客様も多く、残りの商品のあまりの少なさに驚かれていた。商品の並べ方も、並べ方を変えると売れるのは、非常に面白かった。また、最後の値切られ方も、じゃあいくらまでなら支払ってくれるの?相手の心理に迫る。体は疲れたけれど、非常に面白い経験をさせていただいた。
時間になって、あまりにもお客さんの流れが途絶えないので、中途半端な挨拶であったが、失礼させていただくことに。ただ、Sにありがとね!と言ったら、「お姉ちゃん、またね!」といってハグされた。そう私の方が少し年上だったから。私とは仕事がしやすかったと言ってくれた。なんかぐっと来てしまい、涙が溢れそうになってきたので、言葉にならず、FBでメッセージ書くからね!といって肩を叩いた。嬉しかったな。
翌日の新聞によると、過去最高の150万人以上の入場だったというが、過去には2千万人以上という書き込みのところもあったので、正直どれが正しいのかわからないが、とにかくミラノ万博以来すごい人を見た気がする。
長くて短かった9日間。体は疲れたけれどすごいエネルギーをもらった。この機会に感謝。出会えた方々に感謝。

