冬至 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

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2015年の冬至は、今日12月22日。

冬至は、北半球において太陽の位置が1年で最も低くなる日で、日照時間が最も短くなるという。その逆の太陽の位置が最も高くなるのが夏至で、日照時間は日本だと北海道の根室で約6時間半、東京で約4時間40分、ローマでも約6時間の差がある。

ところで、中国では冬至は、二十四節気の一つの節気にあたり、日照時間が一番短い日の翌日から伸びていくということで、「一陽来復」(いっちょうらいふく)と呼び、運気が上がる、縁起がよいと考えられていたという。

しかし、日本ではなぜか「死に近い日」とされており、冬至に厄払いをしていたようだ。その厄除けにかぼちゃが食べられていたのだそうだ。かぼちゃにはビタミンを始め、カルシウムや鉄分がいっぱい。脳卒中や風邪をひかない、金運を祈願する意味もあるという。

また運が2倍になる冬至の七種、というのもある。
南瓜(なんきん)」「蓮根(れんこん)」「人参(にんじん)」「ぎんなん」「金柑(きんかん)」「寒天(かんてん)」「うどん(うんどん)」の7つ。
さあ、共通点はなんでしょう?というと「ん」のつく言葉は、「運盛り」といって縁起をかついだり、また「いろはにほへと」の47音が「ん」で終わることから、「ん」が物事の終わりをあらわすといった「一陽来復」の願いも込められていたそうだ。
また、「と」や「とう」という言葉がつく食べ物(唐辛子、豆腐、どじょう)も縁起がいいとか、厄除け、魔よけに効く赤い色の「あずき」や体の中の悪いものを出すために食べていた「こんにゃく」も冬至に食べるよう広まったという。
今、我が家は、お風呂は電気でわかしているので滅多にお湯をためて入ることはないが、子どもの頃、冬至と言えば「柚子湯」に入っていたことを思い出す。
というわけで、今日はあずきかぼちゃ。マクロビオティックな一品。あずきは腎臓に、かぼちゃは糖尿病の改善に働きかける食材で、便秘の特効薬にもなるという。砂糖は一切使わずかぼちゃとあずきの甘さだけで十分。これで、味が足りない、と思うようであれば体がかなり「砂糖漬け」になっている証拠かもしれない。冬至にかぼちゃを食べて風邪知らず。

1年で一番日が短いということは、翌日から日が長くなるということ。そう思うと、ちょっと嬉しい一日。