さて、そのS.Sofiaはローマ・トラヤヌス皇帝の時代(1-2世紀)に娘3人と共に殉教した女性である。ソフィアとはギリシャ語名でイタリア語のSapienza、知・知恵にあたり娘達の名はPitis(Fede=信頼)、Elpis(Speranza=希望)、Agape(Carita=慈愛)だったそうだ。名前からして信心深い家庭だったことが想像できる。S.Sofiaに関する文献があまりないため詳細はわからないのだが、ローマのアウレリア街道のS.Silvestro in Campo Marzio教会にこの母子たちが埋葬されているという。ブルガリアの首都、ソフィアは6世紀にユスティニアヌス帝に建てられた聖ソフィア教会の名に由来しており、この教会はビザンチンとロマネスク様式の初期キリスト教会でオスマン・トルコの支配下にあった時代にはイスラム寺院としても使用されたというとても興味深い教会だ。イタリアにはエミリア・ロマーニャ州にS.Sofiaという町もある。ちなみにSofia (Sophia)はロシア語でSonia という。
話は元に戻るが、私の名前は智子。父がつけた名前だ。父の母親、つまり祖母の智恵子の一文字を取ったそうだ。本来は彫刻家で知られる高村光太郎の詩集『智恵子抄』はあまりにも有名。
私が洗礼を受ける際、洗礼名を考えなくてはいけなかったので、代母のシスター•マリアに名前をお願いしたところ、尊敬する聖人の名前をつけるのも良いけれど、やはり自分の名前に由来する洗礼名の方が良いのではということでSophiaに決定。ギリシャ語のスペリングの方を選んだ。ちなみに日本人の個々の名前の持つ意味合いをよく聞かれる。私の場合は常にLa Sapienzaと答えてきた。Sophiaはそのままの意味になるので気にいっている。さらに仏教用語でもこの「智」という字は高次の宗教的叡智の意味にもちいるそうだ。
また、長女の洗礼名は、ソフィアの娘の一人の名前でもある「Speranza」(希望)。洗礼名でも母子関係。守護聖人の祝日も一緒だ。これなら忘れることもないだろう。
そして、ローマ大学、長女の入ったボローニャ大学、ピサ大学の古い呼称も「Sapienza」である。ちなみに東京の上智大学も「ソフィア」という呼称。
名前負けしないようにしないと。
