Concerto di Maggio ~ 琉球~日本~ヨーロッパ | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

今年もまた、恒例のConcerto di Maggioに参加することになった。今年で3回目。

毎年お隣の教会主催、(といってもその教会に属する日伊カップルのピアニストの方がオーガナイズ、準備云々している)のConcerto di Maggioはかれこれ10数年続いているのだが、その日伊カップルの方々と元々知り合いだったということもあり、そして私が教会の聖歌隊に属しているということで、あちらのコンサート企画にちゃっかりのって歌わせていただくことになったのだ。

それが、今年はお互い何かと予定どおりにいかず、本来主催教会側のメインコーラスであるテルツァ•エタ、つまりお年寄りのグループは不参加を表明。そして、私たちの聖歌隊も半分がフィリピン人かインドネシア人のシスターなのだが、学校行事と教会行事があまりにも忙しく、やはり不参加。私は一人でも参加しようと思っていたが、どうする?とメンバーに声をかけると、声をそろえて出たい!という。そのわりに、私が練習の時間や場所を調整して連絡しても、誰がいったの?と信用してくれない人(そのほとんどがお年寄りなのだが)もおり、お年寄りから絶大の信用を受けているアントニオ(とはいえ彼も60歳)の話しか聞かない。ちょっとなんとかしてください!と頼み、彼に連絡係りをしてもらった。簡単なことが一筋縄にはいかず、本当に苦労...

コンサートまであと1ヶ月半!というあたりからやっと曲も決まり、練習が始まった。我々が歌うのは、モーツヴァルトのAve verum corpusと、ヴェルディのオペラ「ナブッコ」よりVa' pensiero、そして沖縄を代表する歌「てぃんさぐぬ花」を歌うことになった。前記2曲はすでに、昨年一昨年前に歌ったもの。

ところで、ピアニストの奥様は沖縄出身。毎年ご夫妻は沖縄でピアノのリサイタルを催されていらっしゃる。

話はもとい、今年は日本の歌も歌います。と発表すると、メンバーの第一リアクションは、「ずるい!T子が有利すぎる!自分たちは日本語を知らないんだ!」とまずは文句。何事もそうだ。とりあえずケチをつける。は~。「沖縄の言葉は発音も違うし、私もわからないから、歌詞カード無いと歌えないから一緒に覚えましょう。」と言って、メールアドレスのある人にだけ、youtubeで検索し一番シンプルそうな「てぃんさぐぬ花」の曲を転送。  
https://www.youtube.com/watch?v=Vgu-DgLVq5I

まあ、それでも三線とキーボードじゃ違うとかうだうだ...。テンポは違っても、一応雰囲気つかめるでしょ?こちらも負けてられない。そんなこと言ってたら、当日アンサンブルに合わせられないぞ!ったく。

ちなみに今回は、沖縄から女性コーラス "Coro Brillante di Okinawa" も来伊。琉球のわらべ歌や島唄をはじめ、日本、ヨー ロッパの曲まで多彩なプログラムを披露される。

「てぃんさぐぬ花」は我々が日本語。沖縄のコーラスがイタリア語バージョンを歌う。でも、日本人がラテン語でAve verum...を歌えるの?とイタリア人は不思議に思うようだが、「大丈夫。日本人は大抵楽譜も読めるし、歌のためなら言語も覚えられるから」と言うと、嫌味に取られたのかムッとされた。苦笑 まあ仕方ない。一般人の音楽の学習法は、日本とイタリアではあまりにもかけ離れている。

とはいえ、「いや~最近疲れた時は三線の「てぃんさぐぬ花」で癒されるんだよね~。」とアントニオ。仲裁役である。苦笑

こちらが、「
てぃんさぐぬ花」の歌詞と意味。

  てぃんさぐぬ花や  
  爪先(ちみさち)に染(す)みてぃ   
  親(うや)ぬゆし事(ぐとぅ)や  
  肝(ちむ)に染(す)みり 


  てぃんさぐぬ花(ホウセンカの花)
  は爪の先に染めて
  親のいう事は心に染めなさい
  ※昔、ホウセンカの花は爪の先に染めて魔除けとしも使用していたそう。


いずれにしてもコンサート当日が楽しみ‼︎

日時:2015年5月30日(土)21時開演 
場所:S. Giuseppe Calasanzio 教会
Via Don Gnocchi 16, Milano 入場無料
出演:Coro Brillante di Okinawa、ノットゥールノ室内楽団
賛助:SGC 児童合唱団、Coro SGC、Coro Beata Vergine Addolorata(我々の聖歌隊)



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