昨年,一昨年と夫はクリスマスの時期に,子供達を連れて旅行に出てしまった。いくら家族旅行とはいえ,旅行先で教会へ行けばいいと言われても,言語の問題もあるし,やはり聖歌隊として参加したい。2年とも私は別行動だった。昨年に限っては次男が直前になって行きたくないといいだし,私とミラノに居残り。ミサ以外は,友達の家をはしごしていたが,今年は夫が長期出張中で,子供達と4人で残り,クリスマスイヴは数年ぶりに家で家族で食事。
キッシュとラムチョップ,コンソメスープを作っておいた。長女は当初,ボーイフレンドの家族と食事の予定だったが,「今晩のメニュー何?」と電話してきた。メニューで決めるかな...苦笑 ケーキも作っておいたが,イヴに食べ過ぎるのもよくないから,明日にとっておこう,ということにしたが,4人での食事は久々だ。毎年クリスマスイヴってちゃんと料理してたっけ?と子供達。よくいうわ,いつも居なかったくせに...
降誕祭夜のミサは0時から。聖歌隊は10時45分に教会集合だったが,0時になって長男と次男だけミサに参列。途中で小腹がすいてきた。ミサ終了後の1時過ぎのスプマンテは,胃に沁みた。さすがにパネットーネは食べられず。
翌日,ミサの後,子供達のリクエスト通りラザーニャとケーキ。ラム酒をきかせすぎたようだが,あっという間に完食。すごすぎる...!!生クリームを塗ったケーキは特別の時しか作らないので,子供達も大満足。競争で食べていた。
ところで,クリスマスの当日。次男が一番に起きて来た。クリスマスツリーの下には,いくつかのプレゼントが。「僕のどれだろう...」手紙の上に,プレゼントを置いておいたので,わかった事だろう。喜んでいる様子は伺えなかったが,しばらくして,部屋で宿題の音読中か?!と思ったら,プレゼントした「ギネスブック2015年版」を読んでいたようだ。笑 「ママ,知ってる?宇宙ってさ...」読んだところをいろいろと説明してくれる。リクエストしたプレゼントではなかったとはいえ,決して嫌いなプレゼントではなかったようだ。ほっ。
さて,話は前後するが,今日のミサの聖歌隊は,シスター10人以外の信者は私一人だけだった。今朝から旅行へ出た人もいれば,家族の集まりなどもあるのだろう。お御堂の参列者もぐっと減っていた。先週,ご主人を亡くされた聖歌隊のメンバーがミサの途中からやってきた。平和の挨拶の際,ハグをすると泣いていた。今年の1月にお嬢さんを亡くされ,そして12月にご主人を亡くされたばかり。まだまだ癒されるのには時間がかかる事だろう。ミサの後,外に出ると見知らぬ人たちが,オラトリオの入り口に並んでいた。お年寄りを始め,独り身の方々,そして生活難の方々のための昼食会のようだった。孤独のクリスマスほどつらいものはないだろう。それでもごちそうにありつけるのは,心躍る物があるようで,何気に嬉しそうだった。
今年9月より,次男が教会に隣接する修道会経営の小学校に転校し,また聖歌隊のメンバーでもあるシスター達には非常にお世話になり,何かしたいと思い,クリスマスイヴの夜に間に合わよう準備していたが,タイムアウト。結局25日の朝というか真夜中にクリスマスカラーのブーツを編み上げた。
ささやかな贈り物だが,シスター達は喜んでくれた。「Grazieって日本語でなんて言うの?」ありがとう,と教えると,皆声を合わせて「arigato!」と言ってくれた。
プレゼントは,もらう人はもちろん,あげる人も幸せにしてくれる。「ありがとう」という言葉は言われると,やはり嬉しい。こちらも笑顔になる。
物質的なプレゼントや目に見える印を確かめる事は別としても,心の穏やかさが笑顔を作る。たとえ,切羽詰まった時でも,笑顔を作れば,心は緩む。笑顔の力は最大最強。
笑顔の輪が世界中に広がりますように。



