往と生 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

この世を往かなくてはなりません。
この世に住んだものは誰でも。吉野弘


考えさせられる2行である。
授かった命は必ず返す日がやって来る。それでも死生観は人それぞれである。

先日の長女の親友の自死。
アメリカで末期の膿腫瘍と診断された女性の安楽死。
今朝は今朝で,南イタリアの教会前に置いて行かれたという4ヶ月の赤ちゃんのニュース。赤ちゃんに親がいないのならば,生まれてこなかった方が良かったんじゃないの?と長男がいうのでぶちギレた!何かの理由で育てられないとはいえ,中絶しないで命をこの世に落として,誰かに愛情かけて育ててもらった方が,この子はずっと幸せなの!

生きていく」と「生きている」とは一文字しか変わらないが、意味は多いに違う。

「生きていく」には力がいる。勇気がいる。そして愛情もいるんだよ。生まれてこなかった方が良かったなんて言っちゃいけない!ぶちギレた。

お金や物を与えまくる親。過保護やスパルタ教育...。 日本にいても,ここミラノにいても,何か違うんじゃないかと思う。多分先進国だったら似たり寄ったりなのだろうか?

戦前戦中から比べ,たとえ生活が豊かになっても,豊かさゆえに失われるものもあるのかもしれない。

人間が生きていく強さをもつにはどうすればいいか?非常に考えさせられる。