見失った羊を求めて | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで33年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 2007年にフィリピンで スラム解放戦線の分派に誘拐された、ジャンカルロ・ボッシ神父が昨日、ミラノの病院で昇天された。享年62歳。


1950年生まれ。73年に PIME(Pontificio Istituto Missioni Estere)(教皇庁立外国宣教会、日本ではミラノ外国宣教会と呼ばれている) に入会。78年に叙階。その後、フィリピンに宣教に出かけられたが、2007年6月にイスラム解放戦線の分派に誘拐されたのだ。

その年の9月にイタリアに一時帰国されていたジャンカルロ神父様のミサにあずかることができたが、それはそれは、足場のないくらい人があつまりぎゅうぎゅう詰めのミサだった。

既に、解放され、イタリアに帰国された際のビデオがスクリーンに流され入祭とともに、すごい歓声と拍手。ギターと電子ピアノによる明るい賛美歌。とても喜びにみちた、親しみのわくごミサだったことを記憶している。

そして、当日のミサは、ジャンカルロ神父によるお説教だった。
ルカ15:4の「見失った羊」というたとえ話。 
100匹の羊を持っている人が、もし一匹を見失ったとすれば、99匹を残して、一匹のために見つけ出すまでに探し回らなければならないだろうか・・・という。 悔い改める一人の罪びとについては、悔い改める必要のない99人の正しい人についてよりも大きな喜びが天にある。 

誘拐されていた当時、ボッシ神父は偶然にもこの朗読箇所を思い出されていらしたそう。決して神父が悔い改めなければならなかったというわけではない。けれど、死を直面し、神への信頼と希望を持って、最後まであきらめなかったからこそ、解放された時は、喜びを持って迎え入れられたわけだから。 

そして、武装集団の中では、「お金のためにやっているだけだ」といっていた人もいたという。彼らがたとえアラーを信じようと、やはり神という存在を信じているのだ、と信じていのだそう。 

2008年にフィリピンに再び戻り、2年前にイタリアに帰国されている。フィリピンの貧しい人たちのために、尽くした”Gigante buono"「よき巨人」と呼ばれたジャンカルロ神父。まだまだお若く、フィリピンに思いも沢山残してきているかもしれない。が、ジャンカルロ神父の魂が永遠に安らかに憩うようにお祈り申し上げます。