人間ドック | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

今朝、人間ドッグに行ってきた。

まだ日本で働いていた頃、東京の法律事務所に勤めていたのだけれど,健康診断は弁護士会館で行われていた。数グループに分かれて、仕事を抜けて検査を受けに行った。婦人科検診などはなかったし、まだ健康を心配する年齢でもなかったので,オリエンテーリングののりで楽しみにしていた記憶がある。

ところで、40歳代になってから毎年、秋にミラノで乳がん検診は受けているものの、他のことは放置状態。ここのところ、貧血、目がしょぼしょぼ、副鼻腔炎に悩まされているが、地元のホームドクターのところへいって処方箋を書いてもらうのみ。昨年から数回、胃の左側が夜に急激に傷むことがあり、検査をしたが、何もわからず。できるときに検査しておこうかな・・・と思い、予約した。

さて、「人間ドック」は日本では昭和29年から行われるようになったそうで、当初は「短期入院精密身体検査」と呼ばれていたそうだ。考えてみれば、イタリアでも「Day Hospital」と呼ばれるものがある。

人間ドックの「ドック」は船の修理や建造用の施設・ドック(Dock)のことで、次の航海で事故が起こらないよう、完全な点検・修理をするために入るところとして名づけられたとする。ちなみに犬のDogではないので、くれぐれも人間ドッグとはいい間違えないように。爆 

話は基、検査は身長・体重・胴回りから始まった。大きな変動はあったものの、最終的には中3あたりのサイズと変わらず。しかし、下がるものは下がっておる・・・視力の悪さにも驚いた。朝食を食べてないから、ふらふらするのかと思っていたが、血圧は低いし、目の下まぶた内側は真っ白。貧血ですね・・・と血液検査の数値が出なくてもばっちり指摘されてしまう。

感動したのは、エコー検査。お腹と胸のエコーを受けたが,イタリアだとホット・ドッグにケチャップを塗るように、ジェルをジョバジョバ上からかけられるのだが,その冷たさに,悲鳴を上げて思わず腰をあげそうになってしまうのだが、なんと温かいジェルが肌にかけられるので、違和感がない。そして、検査後も、イタリアだとごわごわした、キッチン・ペーパーのような紙を「自分で拭いて!」と渡されるが、今日は暖かいタオルで拭き,その後,乾いたタオルを頂いた。すべてにおいて至れり尽くせりだった。

そして、クライマックスの胃カメラ。
人生初の検査だった。
電話予約の際,「カメラは鼻からにしますか?それとも口からにしますか?」ってランチ・メニューでパンかライスを選択するかのごとく、軽く聞かれた。え・・・っどっちも嫌だけど、しなきゃいけないんだから、なるべく楽なほうに・・・というと、「では鼻カメにしておきましょう」と一言。鼻カメか・・・。

まず初めに、両鼻の鼻の通りをよくするためのスプレーというものを数回いれる。瞬間的に、げっというような苦いものが,のどを通る。そして、数分後、ゼリー状になった鼻の麻酔を直接右の鼻に噴射。別に飲み込んでしまっても大丈夫というが,気持ち悪くて,口から出した。左の鼻はここ数日、調子が悪いので,やめてくださいとお願いした。その後、のどへ上記のゼリーをながすが、飲み込まず5分ほどそのままの状況でいてくださいといわれた。これまた、飲みこめず吐き出す。鼻の奥からのどまですごい違和感。麻酔が効いてきた証拠だ。

では、右の鼻にチューブを入れてみましょう、といわれじわじわ鼻に細いチューブを入れられるが、奥の部分で痛みがあって、自然と涙が流れた。あらっだめね・・・では左で。ちょっと待ってよ!!左は麻酔入れてないってば・・・と思いつつ,いれた瞬間、「うおーっ」あまりの痛さで叫んでしまった。あらっ結構鼻の管が細いのね・・・子供のころから,なかなか鼻をかめなかったのは、そのせいなのね・・・しょっちゅう、眉の上も痛くなるし。

結局のどからチューブを入れることになった。ただ、のどの奥にチューブがあたり、おえっとなることがあります、といわれた。ここでできないと、鎮静剤なり麻酔で寝かせられ、帰宅も2、3時間遅くなるときいた。何が何でも我慢しないと・・・

何度も、おえっと吐いた。涙が自然に流れ、なぜか震え始め、くわえていたマウスピースをがちがちかんだ。どうなっちゃうの?!こんな検査ごときで・・・看護士さんに「大丈夫ですよ~、すぐに終わりますよ~」と背中をさすられた。

やっとカメラが胃に到達。慢性胃炎だといわれた。
胃の粘膜は年齢と共に変化するものだし、自覚症状がないようならば,特に治療する必要もないといわれる。また、胃の入り口に1ミリ程度のポリープがあったが、まだ切って生検に出す必要はないということ。それでも様子を見て行きましょう、といわれた。ゲゲゲ・・・これって毎年やっていったほうがいいのかな。案の定,胃液はかなり吐いたようだった。検査後鏡をみると、げっそりしていた。鼻の奥もしばらく痛かった。

例え実費とはいえ、イタリアで保険でかかるよりもずっと安かった。
そして、日本での胃カメラがこんなに苦しかったのだから、イタリアでやることなんて想像できないわ・・・