遠足 ~ 下見 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

普段、教会は地元のパロッキアに通っているが、月に一度だけ日本語のミサにあずかり、私と同じような環境の日本人の方々と分かち合いをしている。7月8月はお休みになるので、この会を支えてくださっているPIME(ミラノ外国宣教会)やザべりオ会の神父様のご好意で会の施設を使用させていただき、野外ミサとバーべキューやお楽しみ会をするのが、6月の恒例行事。 

今年は、どうしましょうか・・・年始から頭をひねってきたが、コモ湖畔レッツェノというところに、『Madonna delle Lacrime(涙の聖母)』と呼ばれるSantuario(教会)があるというので、そこでシンプルにピクニックにしましょう、ということになった。 

一応、日本語でミサをあげさせていただくために、交渉しなくてはいけないし、そちらの施設利用の確認もしておきたいので、下見を・・・と考えていたが、先週は長男が怪我をし、夫は出張へ行くとか行かないとか、ぎりぎりまで予定が立たず、私も咽頭炎と副鼻腔炎が悪化し、どうしようもなくなり、71歳の神父様と77歳のシスターに下見に出かけていただいた。 

翌日お二人に電話をすると、非常に綺麗なところだとおっしゃるが、シスターがどうも引き気味。断崖絶壁の道路は幅が狭く、最後の15分くらいはヘアピンカーブ で上っていくし、ちょっと気分が悪くなり、皆さん、運転が大丈夫なのだろうか・・・という。けれど、神父様にどうなんでしょう?と話すと、いや~私がスピードを出しすぎたからでしょう。一緒に行く人たちは、皆若いんだから運転も問題ないでしょう?と非常にアバウト。う・・・ん、一応私も見ておく必要があるだろうか?と心配になり、今週末急遽出張をキャンセルした夫に頼みこみ、今朝下見に出かけた。 

北イタリアには湖水地方と呼ばれるくらい、沢山の湖がある。 
コモ湖は漢字の「人」の形をしており、長さ50キロ。最大幅4.4キロの湖。深いところは410メートルもあり、ヨーロッパ最深の湖といわれる。コモ湖は古くからカエサルやアウグストゥスというローマの皇帝に愛され、18-19世紀には、ヨーロッパの各国王室や富豪、芸術家が競って湖畔に壮大で瀟洒なヴィラを建てた。イタリアきっての避暑地となっている。コモ湖は特に日本人観光客には人気で、ミラノからのオプショナル・ツアーにも加えられている。 

さて、Lezzeno(レッツェノ。『レ』にアクセントがつく)と車のナヴィゲーターに入力した。Como Sudから北上。先日神父様たちは、PIMEの施設があるレッコのRancioというところによっていかれたと聞いていたので、路順は違うと思っていた。シスターは断崖絶壁で湖は左側にあるが、トンネルを沢山通ったとおっしゃっていた。確かに断崖の道路ではあったが、それほどトンネル、あるかな・・・と疑問。そして、ミラノから1時間半とおっしゃっていたが、どうも1時間くらいで到着しそう・・・あれっでも何もなく、次の町の名前になっちゃった。山の斜面にもSantuarioらしき鐘楼のあるバロック教会は見えない。道端に車をとめ、若いイタリア人に、「Madonna delle Lacrimeへ行くにはどうすればいいでしょう?」と聞いても知らない、といわれるし、看板さえ出てこない。おかしくない?子供たちはお腹がすいたと言い出した。 

道路地図の最後のページで場所を確認し、目を大きくあけて見てみると・・・なっなんとコモ湖にはLezzenoという地名が二つあったのだ!!コモ県のレッツェノとレッコ県のレッツェノ。コモ県はベッラッジョというところの近くにあり、『人』の字のちょうど二本が交わるあたり内側の近く。レッコ県のレッツェノはは二本が重なるちょっと上の部分でベッラーノの近く。『人』の字の右側の払う部分のみ、レッコ湖と呼び、一角目の払う部分はコモ湖。もう紛らわしいんだわさ。そうじゃなくても、私は『地図が読めない女』。しかも、地名も人の名前もなかなか覚えられないときている。もうびっくり。じゃあもう一方のほうへ行ってみる?といっても、対岸側で、フェリーはあるのだろうか?もと来た道を戻るか、または、反対側に下ってまた上るのか・・・  

 とりあえず昼食にしよう、といって行き当たりばったりのレストランへ入った。 

このレストランだけはあたりだった。プリモもセコンドもばっちり。イタリア語、フランス語、英語、ドイツ語が飛び交うレストランだった。 

気を改めて店をでると、前は、ヴィッラ・メルツィの庭園。天気は曇りであったが、それはそれはすばらしかった。
庭園を抜けるとベッラッジョの船着場だった。もうフェリーにのってどこかへ移動するしかない。夫がもう一度庭園を通り抜け、車を取りにいき、一番早いフェリーで対岸へ渡った。あいにくベッラーノ側ではなかったので、そのまま南下してミラノへ。 


湖の反対側の道路は、断崖絶壁ではなかったので、行きよりも楽だった。高速へはいり、ターボエンジン全開。これでなきゃ・・・夫も車もご機嫌。 

行きたかったレッツェノへはもう一度計画仕切りなおしだな。 


http://www.viaggispirituali.it/2009/10/santuario-della-madonna-delle-lacrime-lezzeno-di-bellario-como/