カリフォルニアの異常気象が止まりません。
4月1日、長引く干ばつを受けて州政府は、州全体で水の使用料を25%削減することを義務付けました。カリフォルニア州全体に罰則付きの制限が設けられたのは、前代未聞の事態です。
(↑USGSより。枯渇した貯水池の様子。)
一体どれほど深刻な事態なのでしょうか。
カリフォルニアでは、ここ4年間、高温と少雨が続いており、州のほぼ100%で干ばつが発生しています。観測史上最悪の状態であり、またある調査では過去1200年の中で最もひどいとも言われています。このため、この干ばつは、Mega drought (メガドラウト)と称されています。
カリフォルニアの水源の約3分の1は、山に積もった雪に頼っています。しかし、山の雪も観測史上最も少なく、平均の5%ほどしかない状態です。本来なら今頃、1.5メートルほどの雪が積もっている場所でも、今年は草木が茂ってしまっているほどです。通常この時期は、最も雪が多く、また雪解けが始まる時期であるので、この時期に雪が少ないというのは、致命的な状況を表しています。
また、貯水池の水量の平均は、例年と比べ65%ほどしかありません。NASAによると、このままの状態が続くと、水はもうあと一年しかもたないのだと言います。
さらに悪いことに、この先春から夏にかけては乾季で、雨がまとまって降ることはほとんど期待できません。さらに山火事シーズンが始まるので、かえって水が必要になるのです。
この4年にもわたる大干ばつの原因は、“Ridiculously Resilient Ridge ”(ばかばかしいほど長寿命な高気圧)の存在です。ある放送局が提唱した名前ですが、カリフォルニアの西に高気圧が居座っているために、高温と晴れが続くのです。
実際この高気圧のせいで、ここ数年、毎年のように、気温と少雨の記録が更新されています。つい先日も、今年のカリフォルニアの冬は、史上最も暑かったという結果が出ました。
スタンフォード大学の研究によると、この大干ばつは、まさに温暖化によるものだと指摘しています。そして、この高温少雨の天候は今後も続く傾向にあると言われています。
この干ばつを受けて、コーヒー、ワイン、アボガド、アーモンド、杏子など、農作物の価格の高騰が起きており、アメリカだけではなく、日本にもまたその暗い影を落としているのです。
