先日、「インターステラー」という映画を観てきました。
とても興味深い映画でした。異常気象で砂嵐に見舞われるテキサスのある町で暮らす男性が、人類が暮らせる地球以外の星を探すために、宇宙に行くという話です。科学的な映画でありながらも、宗教的な考え方が出てくるような、深く考えさせる話でした。
さて、この映画でも、異常気象の例として砂嵐が出てきましたが、実は1930年代にアメリカでは史上最悪の砂嵐が起こりました。「ダストボール」と言われた出来事です。
(↑Wikiより)
1931年から1939年にかけて、アメリカ南部から北部にかけての広範囲に、断続的に砂嵐が発生しました。
歴史的な干ばつと、農地の行き過ぎた開拓が原因でした。風によって吹き飛ばされた土や砂は、巨大な黒雲となって地上を覆い、何千キロも離れたシカゴの空までも黒く染めたといいます。特に1934年4月14日は最悪の砂嵐に覆われ、昼にも関わらず夜のように暗く、2メートル先すらも全く見えなくなりました。別名・「黒い日曜日」とも呼ばれています。
当時の少雨は記録的なものでありましたが、実は今、カリフォルニア州ではそれ以上にひどい干ばつに悩まされています。
ミネソタ大学教授らの最近の研究によると、2012年から2014年にかけての干ばつは、1200年来の深刻さであると言うのです。とんでもない異常事態が起きているといえます。干ばつは英語で”drought” と言いますが、今回の状況は”Mega drought”とまで呼ばれています。
1200年とは、一体どこから出てきた数字なのでしょうか。アメリカの建国の歴史は200年足らず。どうやったら計算できるのでしょう。
研究者らが用いたのは、カシの木の年輪でした。カシの木は、水分に非常に敏感な木であるようで、乾燥した年だと年輪が引き締まるのだそうです。この調査法を用いたところ、過去1200年の間に3年以上続いた干ばつが計37回がありました。その中でも最もひどい状況が、ここ3年だというのです。
ただ、過去3年間は、確かに雨量は少ないものの、1200年来の少雨と言うほどではありません。実は、気温が異常に高いことが、干ばつをより一層深刻化させているようなのです。今年の夏は、今までになく暑い夏となりました。そして去年の冬も真夏のような陽気になった日が何日もあったことを記憶しています。
カリフォルニアにとって、12月から2月の冬が雨季となります。雨季と言ってもそれほど降るわけではありませんが、夏は基本的に晴れなので、冬場の雨や雪が、年間の安定した水供給につながるのです。しかし、今後も暖かく、降水の少ない天気が続く見込みで、事態は一層深刻化しそうです。ちなみに、アメリカの自然災害で最も死者数が多いものは、干ばつです
さて、干ばつによって多くの職業やビジネスが被害にあっています。農業、漁業、観光・・・その影響は測り知れません。しかし、その中でも干ばつによって潤っているビジネスがあります。それは何でしょうか。
それは、芝を緑に塗るビジネスです。
庭の芝生が枯れて困っている人のために、ゴルフコースや、リゾートホテルの美しい外観を保つために、緑色の塗料をスプレーで吹きかけるのです。枯れた芝も瞬く間に生き返ります。塗料は、環境にも人間にも優しく、半年くらいもつそうです。こすっても色は落ちないのだとか。ちなみに一回の値段は大体2万円ほどだそうです。自然災害を逆手に取ったビジネスですね。
*参考文献*
http://www.sacbee.com/news/local/article2607559.html
