ハワイ島の溶岩流が、火曜日、とうとう民家の敷地に到達しました。家が燃えるのも時間の問題です。この溶岩流、今年の6月から続くキラウェア火山の噴火によるもので、約5カ月の時を経て降りてきました。
(APより)
下のグラフィックをご覧ください。ピンクが月曜日で、赤が火曜日の溶岩の位置を表しています。溶岩は墓地を流れ、今や住宅地に迫っていることが分かります。水曜日の時点で、溶岩流の先端の幅は50メートルです。
(USGSより)
この溶岩の進む速さは、時速にすると、約10メートル。これは、世界で最も早いカタツムリの速度と同じです。余計分かりにくいですね。通常のカタツムリの約2倍の速さです。とにかく、移動速度が遅いのです。
キラウェア火山の地質は玄武岩が主で、その中には、溶岩の流動性を下げる二酸化ケイ素が少ないのだそうです。そのために、固まることなく、長い間流れ続けるのです。反対に流動性の強い溶岩の場合は、すぐに固まり、溶岩ドームなどを形成します。北海道の昭和新山がその例です。
この溶岩流には、いくつか種類があるようです。その中で面白い名前のものがあります。「パホイホイ」と「アア」。ディズニーのキャラクターに出てきそうな名前ですが、これはハワイの原住民の言葉です。
「パホイホイ」が表面が滑らかな溶岩、「アア」が表面がとげとげした溶岩です。ポホイホイもアアも成分は同じようなのですが、アアの方が温度が低く、ガスが抜けている分流れにくいので、表面がでこぼこするのだそうです。パホイホイであったものが、長い距離を流れて温度が下がり、ガスが抜けると、アアに変わるのだといいます。
今回、ハワイの民家に迫っている溶岩を見て見ると、表面が結構滑らかです。5カ月かけて長い距離を流れてきているわりには、温度が下がっていないのでしょうか。
(CBSより)
気象局によると、この溶岩流の温度は大変な高温で、900度にも達しています。火葬の温度が800度と言われていますので、すべてを燃やすほどの温度です。すでに、墓地や道路など次々と破壊しています。タイヤの集積場でしょうか、そこも相当焼けたようで、煙害が起きているとも聞きました。
ではこの溶岩、一体いつまで流れ続けるのでしょうか。
専門家によると、まだ火山は噴火を続けているので今後も止まる見込みはないとのことです。実際、噴火口付近ではさらに2メートルもの高さの溶岩流が流れ出しているとのこと。多くの住民は避難を始めているようですが、今後の状況が心配されます。
*参考文献*
http://www.nps.gov/havo/planyourvisit/lava2.htm
http://www.earthscience.jp/kilaueatop.pahoehoelava.html
*写真掲載元*
http://www.cbsnews.com/news/hawaii-lava-flow-slow-motion-disaster-may-come-with-explosions/
http://www.cbsnews.com/pictures/lava-flows-on-hawaiis-big-island/


