「シロクマの事は考えないでください
」
と言われたら、皆さんはどうしますか?たぶん、頭の中は白クマのことだらけになるでしょう。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、これは心理学用語で「シロクマ効果」と言われています。「考えてはだめ!」と言われると考えたくなってしまう、そんな心理です。私もダイエットをしていた時に、「食べ物の事は考えないぞ!」とかたく心に誓いながらも、ずっと脳裏にアイスクリームやケーキやらが焼き付いて離れなかったことがありました。このシロクマ効果を知っていたらと思うと…。
ということで、皆さまの頭の中は今や、シロクマの事でいっぱいかと思われます。
シロクマはよく、地球温暖化の象徴として登場します。やはり、温暖化のような若干目に見えにくい脅威は、愛らしいシロクマを出すことで、人々の関心を一層引くのでしょう。以前、北極の氷が少なくなって、海で泳ぎ疲れて溺れて死んだクマなどがニュースとなりました。
今年9月、そのシロクマが原告となって、国に提訴した「シロクマ訴訟
」は惨敗に終わりました。環境活動家らがシロクマを原告に加え、地球温暖化は公害だとして、CO2削減を求め、東京電力など電力会社11社を相手に訴えていたのです。しかし結局、東京地裁に棄却されてしまいました。
そもそも、シロクマの生態は減少しているのでしょうか。海域で異なるようですが、意外なことに、全体的には2001年から増加しているという調査結果があります。
ただ、北極の海氷面積は、最低水準ではないものの、過去数十年の平均よりも明らかに小さくなっています。また、このまま海氷の減少が進むと、21世紀の中頃までには、現在のホッキョクグマの頭数の3分の2以上が失われる可能性があると、米国地質調査所は指摘しています。
ところで、一般的にシロクマは、「ホッキョクグマ」と言われますが、「ナンキョクグマ」とは言われませんね。なぜ、シロクマは南極にいないのでしょうか![]()
調べてみると、大変興味深いことが分かりました。「動・植物の不思議(藤丸卓哉著)」によると、それは、赤道に原因があるようなのです。
北極にいるシロクマが南極にも生息地を増やそうとすると、必ず赤道を越えなくてはなりません。そうした環境の急な変化について行かれないために、北極にとどまっていると言うのです。その反対に、南極にいるペンギンは、北極にはいません。
赤道をひょいひょい渡ってしまう人間には、なかなか考え付きにくいのではないでしょうか。
最後に、かわいいシロクマの写真をひとつ。こちら
は、ナショナルジオグラフィックの写真コンテストで選ばれた、白クマの写真です。
まるでウルトラマンのような仕草をしているので、勝手に「シュワッチベア
」と名付けました。白クマは結構凶暴なのにも関わらず、その白さと、毛のふさふさと、つぶらな黒眼で、どうしてもかわいく見えてしまいますよね。
*参考文献*
写真掲載元
シロクマ訴訟
http://www.asahi.com/eco/news/TKY201205110570.html

