作家・幸田文(こうだ・ふみ)は山の「崩れ」に取りつかれ、日本各地の土砂崩れの跡地を訪ね歩き、それを『崩れ』という本に書き記しました。彼女は大地の弱さや脆さが、こうした崩れの現象を引き起こす、つまり「巨大なエネルギーは弱さから生まれる」ことを知るのです。
今日20日未明、広島市安佐北区周辺で大規模な土砂災害が発生しました。午後8時現在で36名の死亡が確認されています。未だ7名が行方不明です。
(mainichi.comより)
広島県では1999年6月にも土砂災害が多発し、325か所で土石流やがけ崩れが起きました。31名が死亡し、1名が死亡しました。今回土砂崩れが発生した地区でも6名の方が亡くなっています。
実は、広島は最も土砂崩れが起こりやすい都道府県でもあるのです。下記のグラフを見てください。
左のグラフは、土砂災害の危険がある急傾斜地の箇所(傾斜角30°、高さ5m以上)の数を表しています。圧倒的に広島が多いのがわかります。右のグラフは土石流の危険があって、人家に被害を及ぼす可能性のある渓流の数ですが、こちらも広島が飛びぬけて多いようです。
このような地形に加え、土砂災害の多さは土壌の「弱さ」にもあるようです。
広島県の山地は「広島花崗岩」という岩石からできています。そしてこの花崗岩は、硬い大理石の元でもありますが、一方で、『マサ土』と呼ばれる砂のような土の元でもあります。専門家によると、県内の約半分がこのマサ土からできているのだそうです。
花崗岩が、長時間雨や風にさらされると風化して、こうした脆い性質に変質し、さらにここに水が加わると非常に崩れやすくのなるのだそうです。また花崗岩は温度にも弱いために、直射日光を受ける表面が風化しやすく、そのために地表の地盤が特に弱いのだといいます。
こうした土壌の性質に加え、広島では昭和40年ごろから人口増加に伴って、崖のすぐ真下や谷の出口などまで宅地開発が進んだことも被害を大きくした原因となりました。
県は、こうした土砂災害への「弱さ」を前々から把握しており、一層の対策を行ってはいたようです。
※参考リンク・写真掲載元*
●花崗岩
http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/rock/igneousrock/granite-1.html
●広島の土砂災害
http://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/sand/west/page3/index01.html


