突然ですが、この写真は何を撮ったものでしょう?
茶色い物体の上に白いものが見えます。(答えはタイトルに出てますが…)
竜巻の動画もこちらから見られます!
<https://www.youtube.com/watch?v=GtP3ls9_VhU>
この正体は、月曜日午後7時過ぎにアメリカ北部で発生した竜巻です。ほぼ真下から撮った写真で、上部の白く見えるのが竜巻本体の雲、茶色く見えるのが巻き上げられた土や砂埃です。
これだけの至近距離からよく撮ったものだと思います。撮影者はダン・ヨーガソン氏44歳。ノースダコタ州北西部マッケンジー郡で、トレーラーハウスの中で生活している男性です。
この竜巻は風速55メートルと推測され、竜巻のスケールはEF2(6段階のうち3段階目に強い)といいます。この竜巻によって、9人の方が負傷、そのうち15歳の少女は重傷と報告されています。車は吹っ飛び、トレーラーなども破壊されました。
被害が拡大した理由はこの「トレーラー」にあります。
トレーラーとは、「特定の場所に定住する目的で設置するキャンプカー」のことで、「タイヤがついたプレハブ住宅」の様相です。なんせプレハブなので、軽い。そのため竜巻に遭遇すると、かなりの確率で壊されてしまいます。
ではなぜこの場所に、竜巻に弱いトレーラーが多かったのか。
それは、一つに、 竜巻の起きたマッケンジー郡では、ここ60年で14個しか竜巻が発生していなかったことです。しかもすべてが弱い竜巻で、今までけが人は一人も出たことがなかったといいます。竜巻常襲国のアメリカとは言え、この場所は比較的安全だったのです。
さらに、石油産出地域として急速に発展を遂げた場所であることも関係しています。数年前には地図にも載っていない程の小さな町でしたが、目覚ましい発展に伴って、多くの人々が職を求めトレーラーで集まったのです。
実は、アメリカには「竜巻はトレーラーハウスを襲う」という都市伝説があります。竜巻によるアメリカ全体の死者数は2000年から2008年の間で約540人でしたが、そのうち半数以上の280人がトレーラーハウスに住んでいた人たちでした。
Fスケール考案者の故・藤田哲也博士も、竜巻の発生情報があるとまずトレーラーハウスに向かったといわれています。しかし、この都市伝説は、ただトレーラーハウスは造りが簡素なために被害が出やすいということのようで、竜巻が狙い撃ちするわけではありません。
ちなみに、トレーラーハウスだと家賃がかからないと思われるかもしれませんが、実は違って、意外に高い駐車代がかかります。なんと月800ドル(約8万円)!オイルマネでーで潤うこの地ではなんでもかんでも高いのだとか。東京都心よりも高いですね。
*トレーラーハウスの情報*
wikipediaより


