アメリカ西部で史上最悪の干ばつが続いている一方で、東ヨーロッパでは、史上最悪の洪水が起きています。120年前に統計を取り始めて以来の前代未聞の大災害です。
（ＣＢＣより）
（APより）
セルビアやボスニアなどが先週末から豪雨に見舞われ、史上例を見ないほどの大洪水が発生。現在のところで少なくとも30人の死亡が確認されています。また土砂崩れは300件を超え、1万6千人以上が避難、広い範囲で停電も発生しています。
一体何が起きたのでしょうか。
5月13日（火）、アドリア海海上に、上空に寒気を伴った寒冷渦が発生（名称：イベット）。亜熱帯性の暖かく湿った空気とぶつかり発達しました。14日（水）から16日（金）にかけて、寒冷渦はバルカン半島をゆっくりと北上、セルビア、クロアチア、ボスニアボスニアヘルツェゴビナなどに、豪雨をもたらすと同時に、モンテネグロなどに季節外れの雪をもたらしました。
セルビアの首都ベルグラードでは、3日間に225mmの雨が降りました。これは4月、5月、6月の3か月分の降水量に相当します。川は氾濫、ひどいところでは、道路の水が5メートルにも及びました。
ただ、この低気圧は弱まりながら北上し、バルカン半島の天候は回復に向かっています。
ところで、先に、120年前に統計が開始と書きましたが、国や地域によって気象統計の取り始めの時期が大きく違います。その中で特に印象に残っているのが、イギリスです。
昨冬は異常に雨かったのですが、それが約240年来のことだったというのです。統計開始は、なんと1766年！1766年と言えば、日本ではまだ江戸時代中期です。恐るべし、イギリス！
＊写真掲載元＊
一番上
＜http://www.cbc.ca/news/world/balkans-flooding-kills-25-forces-tens-of-thousands-to-flee-1.2646242 ＞
中央
＜http://www.accuweather.com/en/weather-news/historic-flooding-and-mudslide/27005682 ＞
＊参考資料＊
＜http://en.wikipedia.org/wiki/2014_Southeast_Europe_floods ＞