冬が到来し、テレビや街中などでウィンターソングが流れる季節となりました。ホワイト、スノー、クリスマスなど、この時期ならではの言葉がタイトルにつく曲が多いですね。中でも私のお気に入りは、松任谷由美さんの「ブリザード☃」です。
実は、昨日まで本物のブリザードがアメリカで大暴れしていました。
昨日、Blizzard warning(ブリザード警報)がノースダコタ州に発令されていました。
ブリザードとは風を伴う雪嵐ですが、その定義は結構細かく定められています。
「大雪を伴って、15メートルを超える強風が吹き、視程が400m以下になる状態が少なくとも3時間続くこと」
日本の暴風雪警報がこれに近いのですが、これは風速が20メートル以上という規定以外特に細かい条件は定められていません。
ところで、過去もっとも多くの死者を出したブリザードが起きたのはどこでしょうか。 それは意外なところで起きました。
答えは、イランです。1972年2月3日~9日の一週間にわたり低温と雪が続いた影響で、200の村が雪に埋まり、約4000人もの死亡者が出たと言われています。
イランと言えば通常乾燥した地域なので、ブリザード自体が珍しいことです。実はその災害が起こる前の4年間はずっと干ばつに苦しんでいました。それなのに、突然襲った雪嵐は容赦なく多くの人の命を奪っていきました。
ちなみにその次に多くの死者を出したのが、お隣の国アフガニスタンです。2008年2月2日に起きたブリザードは926名の尊い命を奪いました。
さて、日本で起きた暴風雪の中で特に有名なのは、新田次郎著「八甲田山死の彷徨」のモデルとなった1902年1月25日のものではないでしょうか。ご存知の方も多いかと思います。その日は異常寒波が日本を襲いました。旭川で‐41度を観測していますが、これは日本の最低気温の記録です。現在でもこれだけ低い気温は観測されていません。よりにもよってその日に青森県・八甲田山で冬季訓練を行った日本陸軍の隊員のうち、約200名が亡くなったのです。記録に残る大惨事となりました。
なお、現在日本の北に、非常に発達した低気圧の雲が渦を巻いています。北日本では暴風と大雪に十分な注意が必要です。
