少し前に、東南アジアのどこかの国の田舎町で、とんでもない方法を使ってチキンを焼いて商売している人がテレビに出ていました。
いくつもの鏡をくっつけて、巨大なソーラー板を作り、それに太陽光を当てる。そして反射光の先に、大量のチキンを置いて焼き上げる。
それはそれは自然にやさしいローストチキンでした。
ところで今日、イギリスから突然車が溶けたというニュースが飛び込んできました。
場所はロンドンの金融街。マーティン・リンゼイさんは、全面ガラス張りの高層オフィスビルの前に、高級車ジャガーを停めました。用事を済ませ、1,2時間ほどして車に帰ってくると、信じられないことが起きていたのです。
なんと、サイドミラーなどの車の一部が溶けていた…。
一体、何がジャガーを溶かしたのでしょうか?
それは、あのローストチキンと同じ原理でした。
ビルの窓ガラスで反射した太陽光が、運悪くその車を照らし続けていたのです。この時期の太陽高度は、ビルの反射光がちょうどその車にあたる、最適な角度だったのです。かわいそうに…。ただ、もちろんのこと、そのビルの持ち主の会社が補償金を払うそうです。
このビルは、現在建築中で、完成すれば33階建ての非常に大きなオフィスビルになるとのこと。
ビルの完成予定図 ↓ (Land Security社のHPより。一番高い真ん中のビル)
ちなみに、ビルの反射光に関連した事件が他にもありました。
2010年、ラスベガスのヴィダラホテル(写真下)で、反射光がホテルのプールで遊んでいた宿泊客の髪の毛を焼いてしまったのだそう。
綺麗に見える全面ガラス張りのビルに、意外な落とし穴があったようですね…。
*参考文献*
http://edition.cnn.com/2013/09/03/world/europe/uk-london-building-melts-car

