タイトルの通り凄い内容の本だった。
自分の生い立ちや自分の生き様を書きながら、自分と交流のあった俳優や歌手、自分とやくざとの関係、自分と政治家との関係を実名で書いてある。
時代も終戦後の昭和の東京の様子、特に銀座や渋谷の街の当時の様子がわかりやすく書かれている。
著者が日本でも有名なやくざの人達と出会って「本物・偽物・似非物」の違いを知っていくプロセスが興味深かった。
どこの世界にも、本物、偽物、似非物がいる。
やくざと言うと悪いイメージしか湧かない人もいると思うけど、この本の中で著者が出会った人はみんな男気があって義理と人情に熱く生きていた本物だったようだ。
私がいるスピリチュアルな世界でも、本物、偽物、似非物がいる。
人を癒やすとか人の為に…とか愛だの平和だとか口では綺麗事を言いながら、私利私欲に走って自分が有名になったり成功する事しか考えない人達も多い。。
スピリチュアルと言う名のもとに人の弱みにつけ込んで金儲けをしている人達もたくさんいるのだから…。
職業や肩書きは関係ない。
堅気でも詐欺師みたいな嘘つきや悪い人間はたくさんいるのだ。
見かけだけで惑わされないように識別する能力は必要だ。
著者に中途半端なことをやらずに大学に行けと言ってくれたのは渋谷を仕切っていた安藤組の大幹部の花形敬さんと言う人。
著者と同じ明治大学出身者らしいが、やくざになれとか簡単には言わない。
親や家族に迷惑をかけたら困るとか誰の心配もしないような人間がやくざになるんだよ…と言う事を諭して著者と喧嘩相手のもう一人に「お前等、育ちがいいんだから上の学校行け!」とハッパをかける。
ちゃんと相手の立場や状況を考えて道から外れないように助けてくれたのだ。
安藤組は組長の安藤昇さんが法政大学で幹部はほとんど大卒だったから、昔のやくざのイメージとは変わっていたみたいだ。
著者はどこの世界でもトップクラスの本物と出会っていく。
勝新太郎さんとのやり取りは、漫才のようで本当に面白い。
何回も笑わせてもらった。
渡辺プロの黄金時代の話…美空ひばり、勝新太郎、石原裕次郎、水原弘、大原麗子、加賀まりこ…。
政治家の安倍晋太郎さん、鈴木宗男さんとの関係…とにかくビックリする話ばかり!
自分が出会った人は全部、本物で素敵な人達だったと言うなべおさみさん自身が、生きることに一生懸命で、情熱があって人を惹きつける魅力があったから、そんな素敵な凄い方々と出会って関わることができたのだと思う。
昭和と言う時代に、豪快に信念を持ち自分の人生を生きた人達の話は聞いているだけで気持ちがいい。
やっぱり…「本物」はすべてが違う。
著者が一番大事にしていた「潔さ」が本物の人達には共通していて、それが生き方にも反映している。
色々な意味で興味深く、ユーモアに溢れていて楽しくスラスラと読めた。
2冊目を執筆中の私には分野は違っても、とても参考になった。
亡くなった父がやくざの世界にいた人間(それはそれで私達家族は色々と巻き込まれて大変だったのだけど…)だったので私にとっては親しみやすい本だった。
実際になべおさみさんにお会いしたいなと思った。
やくざと芸能と 私の愛した日本人/イースト・プレス

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