私は小学校1年生の時の運動会で50M走の新記録を出した。
その時、祖父母、父母、叔父、叔母、近所のおじさんやおばさんまで勢揃いで私の応援をしてくれた。
私は、8ヶ月の早産で1860グラムの未熟児で産まれ2ヶ月間保育器に入っていた。 産まれて半年後に肺炎で死にかけたのに、奇跡的に助かったので母は私が何かの病気になる度に、「○○○は生命力があって強い子だから大丈夫だよ!」と言っていつも励ましてくれた。
小学校に行くまでは体が弱くて、ちょっと走っただけでも週に2~3回は貧血で倒れて病院に運ばれる位病弱だったので、 私が運動会で新記録を出した時は、家族みんなが大喜びで大騒ぎだったらしい。
目を閉じて静かに耳を澄ますと、今でもあの時の…
祖父、祖母、父母、叔父や叔母の大きな声援が、聴こえてくる。
私の人生の中で 初めて自分の存在価値を認めてもらえたと思った瞬間だった。
私はそれから走る事が大好きになり体も丈夫になった。
新記録もたくさん出した。
走っている時だけは、両親の事も心配しなくてよかったから、何もかも忘れて夢中で走っていた。
ただ、一つだけ苦手なものがマラソンだった。
私は短距離が専門だったので、100メートルや80メートルハードルはぶっち切りに速かった。
でも、マラソンは大嫌いだった。
だからマラソン大会がある時はいい加減に走ったり、時には仮病で休んだりしてごまかしていた。
でもある時、先生に「苦しいのはお前だけじゃない。みんな苦しいんだ。苦しくなったら他のみんなも苦しいのに走ってるんだ。苦しいのは自分だけじゃない。そう思って本気で走ってみろ!」そう言われ、(よ~し、じゃあ、本気を出してやってみるか!)と毎日毎日、グラウンドを走り続けた。
結果的に6年生の時は苦手だったマラソン大会でついに3番になった。
あの時の「苦しいのはお前だけじゃない。みんな苦しいんだ!」と教えてくれた先生の言葉。
(自分だけが苦しいと思うから、苦しくなるんだ。自分が苦しい時はみんなも苦しいんだ。)
本当にそう思えた。
それから何かあるごとにその言葉は私の頑張る力の元になっていた。
(続く)