【東方小説】咲夜の1秒戦争-8【最終回】
徐々に砂煙が晴れてきて。
しかし、それでも視界は最悪のままだった。
正確にいえば
視界に入ってきたモノの『意味する状況』が最悪だった。
咲夜を360度取り囲む黒い空気。
魑魅魍魎。
凶暴なおどろおどろしい姿をした影の塊。
それが、いまにも自分に襲いかからんと隙を窺っていた。
「勝負あったね!」
影の塊のどこかから、くすくすと笑うロイの声が聞こえた。
「結構楽しかったよ?
この世界の、
最初で最後の人間との思い出ができてよかった。
ああ、もうすぐ始まるよ。
私の世界が!!!
あはははははははははははははは!!!!」
狂ったような高笑いが、真っ黒な玄関ホールにこだました。
「それじゃあね。
――ばいばい」
その声を合図に、一斉に影が襲い掛かる。
左腕もなく、弾幕勝負にも全力で挑んだ咲夜の身体は、
既に満身創痍。
咲夜の一番近くにいた、獅子のような姿をした影が、
躊躇いもなく
遂に、その腕に喰らいつき
「―――まだ
勝負はついてないわ!!」
右手でその影をなぎ払うと、
咲夜は懐中電灯をある方向へと向けた。
それも、ロイには全くかすりもしない、
素っ頓狂な方向で。
「あははっ!! 悪あがきのつもり?
悪いけどその方向に私はいな――ッッ?!」
背中が・・熱い・・?!
背中だけじゃない、
全身から、焼けるように煙が噴き出してる?!
咲夜が懐中電灯をかざした瞬間、
ロイの全身が光に包まれた。
いや、それどころか
全ての影が消えるほどに、
この玄関ホール全体が、眩しい光で満たされていた。
「う、ぐッ・・あ・・!!
熱い、熱いよおおおおおおおお!!!!」
懐中電灯1本で、
なんでこんなにも――!
ロイが咲夜の懐中電灯を見ると、
その先に、
壁に刺さった1本のナイフがあった。
そこに光が反射し、
さらにその先にもナイフ、その先にも、その先にも、―――
「や、あ・・・溶ける、やだ・・
ああああああああああああああああ!!!!!!!」
ロイの身体が、みるみるうちに煙と化していく。
そして最後には、あとかたもなく消滅し
光の満ちたホールには、少女の狂おしい断末魔だけが残った。
発電室。
室内の大半を機械が占めるこの部屋。
その奥にあるレバーは、
やはり『OFF』になっていた。
「これで、終わる・・」
咲夜がレバーに手をかけ、
いよいよ下ろそうと
――待っ・・・テ・・――
「っ?!」
ロイの声?!
しかし、姿はない。
どうやら未だ館内に溢れる影から聞こえている幻聴のようなものらしい。
「また何かする気?」
――うウ・・ん、・・ちガ、う。
ゲ・・・ーム、に、勝ッ・・・た、・・カラ
コれ・・・――――
コツッ
近くで微かな音がして振り返ると、
ほんとに小さな、歯車が落ちていた。
「あ・・・」
――わタ・・シ・・、
たダ、みン・・なと、幻想郷二・・イたかッ・・タノ
ノ、うりョ・・く、ナ・・んて
ど・・ウ、デモ・・・ヨ、か・・った
ズっ・・と、ずッ、ト
アソ・・びタ、カっ・・た、ダけな・・ノ――
ご・・めン、ね――
胸が締め上げられるように、
呼吸も苦しくなるくらい、苦しかった。
なんで
なんで、ロイが謝ってるの?
危険を超越し、禁忌に触れた能力、
それだけで
何故こんなにも人生を滅茶苦茶にされなくてはならないのか。
そして、その理不尽に追いうちをかけるように
今、
私はこの子をこうしてまた殺そうとしている。
本当にこれが正しいのか。
考えた。
いや、考える必要なんてあるのか。
絶対的に、
ロイが再生するのを待って、一緒に幻想郷へ行くのがいいに決まってる。
私は静かにレバーから手を離
「咲夜!」
「・・輝夜?!」
息を切らせ輝夜が入ってきたかと思うと、
咲夜の手を取り、一緒にレバーへと手をかけさせた。
「えっ、あ!ちょっと・・、?」
ゲームオーバーとなった、
死んだと言われた輝夜の姿には怪我1つなかった。
もちろん、蘇生するにしてはあまりにも早すぎる。
「全く、何ちんたらしてんのよ!
こういうのは一気にやるのがいいのに!」
「か、輝夜、貴方・・」
いつもの口調で気丈にレバーを見つめている
ように見えて、
輝夜の眼からはボロボロと涙が溢れていた。
「ああもう・・!
ロイに頼まれたのよ・・
あんたが戸惑うような事があれば後押しするようにって!
もう、終わらせるの。
ロイは殺してもらうことが、本望なの」
幻想郷では生きられないと知っているから。
「――、わかったわ」
重なり合う2つの手は、
その無機質なレバーをひと思いに下げおろした。
真夏の炎天下。
午後を迎えた紅魔館。
外の殺人的暑さを遮断し、内部は涼しげな空気が漂っている。
冷気に満ちた館内で、今日も慌ただしく働くメイドの影があった。
「失礼します。お嬢様」
ドアを軽くノックし、咲夜が部屋へ入ると
レミリアは頬杖をつきながらこちらを眺めていた。
「やっぱり疲れた顔してるのね」
「やっぱりそうでしょうか」
4時44分。
ブレーカーを上げると、
それまで荒れ果てた紅魔館も、咲夜の腕も全てもと通りとなり、
輝夜もいつの間にかいなくなっていた。
歯車を時計へはめ、時を戻すと、
そこはいつもと変わらぬ紅魔館。
時計は息を吹き返したように4時44分1秒を刻んだ。
「ちゃんと休みはとっているの?
あまり無理はしないようにね」
「あら、御心配いただき光栄ですわ」
「貴方に倒れられたら紅魔館は荒れ放題よ」
荒れ放題。
咲夜は苦笑いした。
「お嬢様。1日程休暇を頂けませんか?」
レミリアは少し驚いた表情になったが、
それでもにこりと微笑んだ。
「そうね。
貴方には今まで休暇を取らせてなかったのだから、1日くらいいいわ」
「ありがとうございます。
では」
紅茶の時間が終わり、咲夜がティーセットを片づける。
この胸に
「――咲夜、それ・・・?」
レミリアは咲夜の胸ポケットを指差した。
「この懐中時計ですか?」
咲夜が胸ポケットから懐中時計を取り出す。
レミリアはそれをじっと凝視した。
金の鎖に金に淵どりされた外装。
いつもと変わらぬ、精巧に作られた咲夜愛用の懐中時計。
いや、盤面のガラスが割れている。
あっ、と慌てて咲夜が何かを言いかけるが、
レミリアがそれを制した。
「いいわ。あとで山の河童にでも修理してもらいなさい。
今日は疲れたでしょう、いろいろと」
「はい。
では失礼します」
その含みに少し疑念と、安堵を抱きつつも咲夜は部屋をあとにした。
「時の止まっていない世界で、ゆっくり休みなさい」
太陽のない夜は自分の支配下。自分の世界。
しかし今晩は違う。
月も不在だ。
太陽も月も姿を隠す世界。
「今日は私もおとなしくしていようかしら」
今もなお太陽が地上を焼く窓の外に目をやってから、
レミリアは再びベットへもぐりこんだ。
今宵は新月だ。
―――――――――――――――
やああっと終わりましたね!ええ!←
咲夜の1秒戦争どうだったでしょうか
いやー疲れましたねw
途中まですごい手が進んでたんですが
最終回。終わりとなると難しいものです
感動系涙腺崩壊ラストにしたかったのですが
めちゃくちゃ難しいですね。。。
お?何故敬語になっとんねや
次小説かくときは
短編で、もう連載はやめようと誓いましたw
ギャグ系をな?目指そうとな?思うのぜ
あと、絵も描いたのでそれも載せようと思います
てか、絵もってwおまけじゃねえかw
まあいいでしょう!東方大好き!グロ大好き!こあ大好き!
・・さーせんw
小説読んでくださっていた方、ありがとうございましたw
無理矢理な終わり方でサーセン←
ではー、また次回!ノシ
【東方小説】咲夜の1秒戦争-7
「さあ、始めるわよ」
その掛け声と共に、咲夜の足元にも魔法陣が現れた。
「奇術『ミスディレクション』」
大量の弾幕がばら撒かれる。
「それで当てるつもり?」
ロイは最小限の動きでそれをかわしていく。
ふと咲夜を見る。
と、弾幕が発せられるその先に、咲夜はいなかった。
「・・あれ?」
あわてて辺りを見回そうと、
突如、全くの別方向から襲ってきた。
ナイフを用いた、咲夜の弾幕。
光を放つことはない通常弾幕が様々な方向へと飛ぶ。
「うわっ!!」
寸でのところでそれをギリギリかわした。
ミスディレクション。
注意を引いて、あまり注視して欲しくない場所から相手の意識を逸らす技。
咲夜が得意とする、マジックの手法の1つだ。
それを見て、ロイは思いついた顔をして、
にいっと子供のように笑った。
「面白いね!
私もやってみようかな――?
影在『幻惑ミスディレクション』」
咲夜と同じように、大量の弾幕がばら撒かれた。
自分と全く同じ、変わり映えしない技。
咲夜は呆れた。
「知ってる?
タネの分かった手品ほどつまらないものはないの」
真似しただけなのだ。
今まで弾幕勝負を知らなかったのだから、
所詮こんなもんか。
案の定、別な方向から弾幕が飛んできた。
ロイが放ったのは、黒塗りのナイフ。
暗闇では見えづらい保護色だが明らかに存在する、影の濃い弾幕。
咲夜は苦笑いした。
「私も舐められたモノね」
先ほどの自分の攻撃とほぼ変わらない、
それどころか自分の攻撃よりスピードさえも遥かに劣っていた。
それを、最小限の動きでかわし
「――っ?!」
かすりもしなかったはずの咲夜の銀色の髪が
何かに切断されパラパラと宙を舞った。
後ろを見ると、壁には銀のナイフが刺さっている。
どういうことだ?
「ふふ、惜しかったなあ。
まあ、大したことはしてないよ?
光と影の反転。
影を輝かせる、弾幕だよ」
光であるはずの銀のナイフが、影として存在を隠す弾幕。
予想外に厄介だ。
混じりあう大量のナイフ。
玄関ホールの至る所には、既に無数のナイフが刺さっていた。
――――私は新月が好きだった。
月のない、本当に真っ暗な夜。
何も見えなくて、
でも、どこまでも続いているような、
そんな優しい闇。
最近は、サイセンタンギジュツってもののせいで
完全な闇は、作られた明かりに居場所を追われて
――気付いたら幻想郷に居た。
そこで初めに会った人。
「貴方はここにはいられない」
そういって
何よりも暗い、牢獄のような空間に閉じ込められた。
そこには、
私と同じように閉じ込められたという人が沢山いた。
それからのある日、空腹で、皆気が立ってて、
その場所に先にいた人たちに、殺されそうになって――
気付いたら、みんな死んじゃってた。
そして、私を閉じ込めた人が現れた。
何か、軽蔑するような眼をしてた。
『ま、待って、これは、違う・・!
そんな目で見ないで・・ねえ!
助けてよ!!』
「やっぱりね」
「死んじゃえ死んじゃえ!!」
無数のナイフが玄関ホールを飛び交う。
それを咲夜は、僅かな合間を縫うように、大げさに避ける。
戦況は、明らかに劣勢。
一瞬でも気を抜けば負ける。
時を止める能力が使えない。
その事は咲夜にとって非常に辛い事だ。
何か、打開策は――
「疲れた」
ロイはそう呟くと、ぱたりと攻撃をやめた。
「もうお遊びは終わり。
本気で行くよ?
影符『暗中模索』」
再びナイフをばら撒く。
今度は先ほどより、避ける隙もないかなりの高密度。
咲夜はそれを危なげにもかわしながら、
目を疑った。
こちらに、
大きな黒い球体の弾幕がゆっくりと迫ってくる。
それも、玄関ホールのシャンデリアくらいのもの。
これが『影』だとすると、
その影となって姿が隠された実物はそれ同等の大きさとなる。
加えてこの高密度のナイフ。
完全に「詰み」だ。
避けられない!
目の前に迫りくる黒い影、
ふと、その中へ入る黒いナイフが
銀色へ変わるのが見えた。
「―――、
そういうことね・・!」
何を思ったのか、咲夜はその影へ迷いもせず入りこんだ。
するとどうだろう。
その中は、意外にも『安置』だった。
「やっぱりね。
影の近くにはその光となる弾幕があると思って避けていたけど、
ここまで大きいと実はその影の近くに光はない。
今まで恐れていたものは意外にも安全だったってことね」
ロイはそれに驚き、少し嬉しそうな顔をした。
「そうだよ」
しかし、咲夜が入りこんだその黒い弾幕の内部。
そこでも高密度の黒いナイフが、銀のナイフへと姿を変え飛び交っていた。
それを避けつつ弾幕の外へと目をやる。
と、先ほどと同じような大きな黒い弾幕が二方向からこちらへ迫って来ていた。
最初はあまり気にしなかったものの、だんだん近づくにつれ
ある事に気がついた。
影の、黒いナイフがここへ入りこむとどうなる?
姿をかえ、もとの銀のナイフへ姿を変える。
なら、
今迫りくる影の弾幕がここへ入りこんだら――
「――っ!!」
その考えは肯定された。
外部から入りこんだその黒い塊は、
内部で姿を変え、光を放つ大きな弾幕として現れて
「幻符『殺人ドール』―――!!」
まさにその弾幕に潰される寸前。
咲夜が発したそのスペルカードがそれとぶつかり合い
壮絶な大爆発。
噴出した砂煙と爆風はホールを瞬く間に埋め尽くした。
――――――――――――――――――
はーい乙です
咲夜のry
第7話どうだったでしょうか
今回はね、もう戦闘シーンで。
情景描写疲れました。
でも結構物語と関係あるシーン多々ありまして。
あっ、ロイの弾幕、影反転どういう意味かわかりましたでしょうか。
なんか咲夜さんのスペカ名ggってたら
いろいろおもしろい設定でてたので紹介。
•咲夜(さくや)
◦コノハナノサクヤヒメ(木花咲耶姫、木花之佐久夜毘売)。
■八意思兼神の甥(ニニギ)の嫁で、富士山の神様としてかぐや姫と同一視されることもある。
■神主が、東方儚月抄は永琳が咲夜に驚いた理由のヒントになると言っている。
輝夜との接点あったんですね。
時間操作と月つながりで出してただけなんですが。
また、知ってる人多いと思いますが
咲夜さんは、
「十六夜咲夜」→「十六夜の昨夜」→「十五夜」
つまり満月なんですよ
長くなりました;
次回、遂に最終回――
では!ノシ
【東方小説】咲夜の1秒戦争-6
バルコニーが破壊された。
安全地帯がなく、完全に敵の支配下となった館。
「一体、どうすれば・・」
バルコニーだった場所を見つめながら呟く。
「・・電気がつかない。
ブレーカーが落とされているんだわきっと」
そうだ。
影を消せばいいのだから、明かりさえあれば、勝算もある。
「咲夜、ブレーカーあげにいこ?」
「わかったわ。発電室は1階ね」
影の世界で渡された懐中電灯を廊下の先へ向けた。
「おかえり!!」
後ろから?!いつの間に――
そんな明るい声が聞こえて振り向こうと
――バアァンッ!!!
空気が震えるような激しい衝撃。
――何の音だ?
薄暗く、どんな状況か混乱した頭で
現状を理解すべくあたりを見まわす。
と、
輝夜がこちらを見て目を見開き、
驚愕の表情を露わにしているのが見えて
「何、どうか――」
そう言いかけると、
輝夜は私に勢いよく駆け寄る。
いや、私のすぐ後ろにいたロイに迫って、
その『顔』に、躊躇いもなく弾幕を放った。
それを放つ手から顔まで、零距離。
――バアァンッ!!!
先程と同じような、大きな衝撃音。
そして同時に、
ロイの頭部は激しい音を立て消し飛んだ。
「っ!!
あんたいきなり、いくらなんでもそれは――!!」
「咲夜、分からないの?!!」
輝夜は焦りと恐怖の混じった激しい形相をして、
「今、あんたの腕がとばされたのよ?!!!」
「―――え?」
腕?
私の腕?
視線を下に、自分の体に向けると
左の二の腕の中ほどから先が、なくなっていた。
「っあ、ああああああああぁああぁあぁぁ!!!」
認識した瞬間、意識が飛びそうになるほどの衝撃と激しい痛み。
私の腕!
私の腕がない?!!
「逃げなきゃ!咲夜!!
アイツ本気だわ!!!」
「いや、いや・・腕が・・腕、腕・・いや・・!!」
「?! どこいくの馬鹿!!!」
ぐるぐると混乱した頭を抱えながら、
わけもわからず輝夜の脇をすり抜けて逃げ出す。
わずかに後ろを振り返ってみた。
不安と恐怖に染められた目で見えたのは、
焦燥感に満ちた顔をした輝夜と
床に転がる左腕。
そして
転がった死体の頭部に蠢く影がたかっているという異様な光景だった。
必死で、一心不乱に逃げた。
しばらく走ると、冷静さを少し取り戻せた。
次第に息も切れてきて、休もうとその場に座り込む。
ここは・・2階だろうか。
目の前の、1階へと下りる階段に玄関ホールが見える。
未だにぼたぼたと血を吐き続ける左腕にちらりと目をやった。
痛い。死ぬほど。
何も考えないと、どうしてもそこに意識が集中する。
痛い。違うことを考えよう。
そういえば、この後どうすればいいのか。
輝夜とははぐれてしまった。
はぐれる前、何か話していたような・・
『ブレーカーあげにいこ?』
『ええ、発電室は1階ね』
そうだ、ブレーカー。発電室。
咲夜は1階へと降りる階段に1歩踏み出した。
と、
「っ・・?!」
突如、足が重くなる。
まずい、つまづいた!
慌てて足元を見る。
・・・つまづいてなんかなかった。
私の右足首を掴む黒い腕が見えた。
咲夜はそのまま体勢を崩し、階段を転げ落ちた。
体中が痛い。
左腕の断面も、再び激しく痛みだす。
体を起こすこともできず、倒れこんだ。
「どこいくの?」
ぽつりと、囁くような声がして階段の方に目を向ける。
先程首がとんだはずの死体、ロイが、
今しがた咲夜が落ちた階段から、1段1段ゆっくり、無表情で下りてくる。
1階玄関ホールに、コツコツと寂しい靴の音が響く。
首は元通りそこにあった。
階段を下り終え、咲夜に近寄る。
足元でうずくまっている咲夜を、
興味を一切なくしたような、冷たい目で見下ろした。
「つまんない。
飽きちゃった。
もう終わらせようと思うの」
相談でもするように、しかし一方的な口調で呟く。
こちらの反応は気にせず、ロイは続ける。
「輝夜お姉ちゃんはもうゲームオーバーになったから
あと貴方だけなの
これで終わり。
終わって、始まるの!
自由な世界!
私だけの、広くて、綺麗で、素敵な世界!!」
子供がお母さんに「聞いて聞いて!」と報告するかのように
これからくるであろう未来を想像し、楽しげな表情で目を輝かせて、
でも、
どこか自嘲気味な笑顔で、ロイは笑った。
「だから、
死んでよ。十六夜咲夜」
手に持っていたナイフをゆっくり振りかざす。
そして、
それを勢いよく振り下ろした。
――キイィィィィンッ――
静寂を突き破った、
硬質なもの同士がぶつかる鋭い音がこだまする。
私が咄嗟にポケットから出し、ナイフと対峙させたもの。
それを見ると、ロイの顔は驚いた表情へと変わり、冷や汗も伝っていた。
「な、なんでそんなもの・・・」
それは、
懐中電灯。
輝夜が持ってきた――
いや、会った時には持ってなかったから、
「影の世界にあったものよ」
「?!
なんで?!なんでそんなのっ・・!!」
ロイが初めて焦り、そして隙を見せた。
その隙を見逃さず、
「――っっ!!!」
ナイフを払い、懐中電灯を思いっきり照らす。
ロイの弱点は、光だ。
ロイはそれを直視した。
「ああ・・ああああああっっ!!」
目を両手で覆う。
覆ったその両手にもまた光が当たり、
その部分が焼けるように煙を出しながら赤く爛れていくのが分かる。
「死にぞこないの癖に!!!」
突如脇から現れた獣の口のような影が襲ってくる。
体を無理矢理動かしてそれをかわすと、光はロイから外れた。
ロイは後ろに跳び退き、目を押さえながら息を切らしている。
その手と、手の間からは、だらだらと血が溢れだしていた。
「許さない許さないユルサナイ!!!!!!!」
怒り発狂したように叫んでロイが両手を広げる。
押さえていた目は、真っ赤で、血が止めどなく流れていた。
そして、突如その足元に魔法陣が現れる。
あれは―――
「いいわ。
本気の弾幕勝負をしましょう、ロイ」
―――――――――――――――――――――――――
はい、お疲れ様でした
咲夜の1秒戦争、第6話かな?
どうだったでしょうか
そろそろ最終回が近付いてまいりました。
今回で終わるかと思ったんですけど無理でしたw
さて、ギャグ要員のぐーやがログアウトしてしまいましたね
ちなみに情景描写が中学生レベルってどうなのって思う人もいるかもしれません。
確かに「うずくまる」とか「蹲る」ってかいてなかったりで
あんま難しい漢字も使ってません。
はい、
それはわざとです(ドヤァ
ごめんなさいすいません嘘です
情景描写かくのめんどいんですごめんなさい
でも、簡単な分かりやすい言葉の方が読みやすい・・よね?
余談入りましたさーせんorz
では、次回、
決戦のバトルフィールドへ!
いざぁ・・・(←
お楽しみに!