レピドプテラ~チョウとガの自然史~展 その2 | 園芸ダイアリー ~だいたいサボタニ~

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雪国で大した装備もなくいろんな植物を育ててます

秋田県立博物館で開催中の企画展「レピドプテラ チョウとガの自然史」
展示担当学芸員の展示解説のつづき

擬態
捕食されないために、ニセのメッセージを発信するチョウとガ

 

 

 

 

 

 

 

 

有名なコノハチョウ。

 

 

 

 

 

 

 

左の3羽が神経毒を持ち、多分食べるとお腹を壊したりする。右は持たない。
そっくりで見分けがつかない。主にメスが擬態するようだ。

 

 

 

 

 

 

 

キタスカシバ
ハチに擬態するガ。なんとハチの羽音まで真似るらしい。

 

 

 

 

 

 

 

オオクマバチモドキ
クマンバチに擬態。

 

 

 

 

 

名前分からず
目玉で鳥をびっくりさせるらしい。また、鳥に本物の目を狙われないためのダミーであるという説も。(特に小さい種類)

DNAの研究で、模様の進化が非常に早いことがわかった。それは、模様が捕食されないためにとても大きな役割を担っているから・・・らしい。

環境の変化と秋田のチョウとガ

 

 

 

 

 

 

オオウラギンヒョウモンとチャマダラセセリは秋田県では絶滅。
人間が手入れした半自然草原の減少による絶滅であるとのこと。

秋田、愛知、岐阜だけで見られる種もおり、そんな貴重な昆虫が秋田にいるのかと驚かされた。

また、秋田には海岸でしか見られない種もいる。(日本では4箇所でしか確認されていない)
風車設置で砂浜を固めてしまったり、ダムを作ったせいで砂が河口に流れてこなくなったため砂浜が痩せる、などの理由で種の生存が脅かされているとのことだ。

 

 

 

 

 

 

 

ギフチョウは里山を代表するチョウだが、このヒメギフチョウも数年前から見られなくなった。

一方温暖化の影響で、今まで見られなかったようなチョウが観察されるようになった。

 

 

 

 

 

ウラギンシジミも北上中で、宮城では普通に見られるらしい。

おまけ 身近な害虫の成虫

 

 

 

 

 

 

これはタニクの天敵ヨトウムシの成虫?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真夏に大発生する毛虫アメリカシロヒトリ(通称アメシロ)の成虫。

チョウとガの見分け方

止まり方ではなく触覚で見分ける方が確実だが、微妙なのもいる。
マニアックな話をすると、ガには前バネと後バネの連結装置がある。(例外あり)
ガとチョウを見分けるのは難しく、一概に言えないそうだ。

海外では、分けていない。
ドイツではチョウもガもファルターと呼ぶ。ガの事をしいて分けて言うならナハトファルター(夜のチョウ)と呼んでいる。ガの標本のコレクターも多いらしく、海外ではガは市民権を得ているようだ。

確かに、ヤママユの模様は見事だし、美しいガもたくさんいる。だんだん、頭の中でガもチョウも区別がなくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

ロスチャイルドヤママユの一種

 

 

 

 

 

 

 

イザベラミズアオ

 

 


名前分からず
 

美しいガ達
 

 

 

 

 

 

クロメンガタスズメ
羊たちの沈黙で有名なメンガタスズメ。劇中ではバッファロービルがドクロメンガタスズメを飼育。

見分けてみよう!の展示

 

 

 

 

 

 

意地になってわざと汚いチョウと綺麗なガを集めてみた、との事(笑)

 

 

 

 

 

上のチョウ達は、その美しさから乱獲されワシントン条約2種に指定されているそう。


最後に、ガに対する誤解を解きたい!

「鱗粉が皮膚につくとかぶれると考える人もありますが、鱗粉に対するアレルギーを持っていない限り、何の影響もありません。
ただし、ごく一部の種では体の一部にかぶれを起こす成分を含んだ特殊な毛を持つものがあり、この毛が皮膚につくと炎症を起こしかゆくなります。
こうした毛を持つのは、秋田に生息する種では、ドクガ、チャドクガ、モンシロドクガの3種だけです。」

と、展示のパネルにありました。
見た目が気持ち悪いからと、毒虫扱いしないでね!

 

 

 

 

 

 

ドクガ
こういうのには注意!
秋田県立博物館で開催中の企画展「レピドプテラ チョウとガの自然史」
展示担当学芸員の次の展示解説は8月16日13:30~14:30です。

しかも入館は無料!(;゚Д゚)!


これは行くしかない!興味のある方はぜひ!

いや~堪能した!ただ見て回るのとはまた違う、ディープな世界が覗けると思いますよ~!(笑)