26億円は、次世代経営者の育成への授業料。さすが、ファーストリテイリング | 「人生」の面白さを知る、何気ないエッセンス

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こんなことがあるのか、あんな考えもあるのか…といった人生のエッセンスを3分間で学びましょう!

先日、小物梱包用の包装シートやテープを購入しようと

渋谷のダイソーに行きました。

途中でふと、「このあたりに昔BOOKOFFがあったなあ」と

思い立って見上げた店舗は今、ジーユーに変っていました。

 

ジーユーにはまだ一度も行ったことがなく、

どんなお店なのか、どこが運営しているのかと

ずっと気になっていたのですが、

何と、ユニクロを運営する

ファーストリテイリング(FR)傘下の企業でした。

 

しかも、FR内では売り上げや利益の伸び率が

トップクラスとのこと。

渋谷に出店できるのも勢いがあるからこそといえます。

 

「へえ、ジーユーになったのか」という記憶を持ったまま、

自宅に戻って後に、

ふと日経ビジネス6月1日号を開いたところ、

ジーユーの柚木 (ゆのき おさむ)社長へのインタビュー記事が

掲載されていたので思わず読んでしまいました。

 


その中身が、実にドラマティックだったんです。

柚木社長は、大手商社・伊藤忠商事からの中途入社。

自ら提案した新規事業である野菜販売に挑んだものの、

FR26億円もの損失をもたらしてしまったというのです。

 

もともと、柳井会長以外の役員は、その事業に大反対。

柳井会長だけが、

全力で応援してくれたにも関わらずの散々な結果。

会社を辞めるつもりで会長のところに行ったところ、

26億円損して、勉強して、それで辞めますですか。

まずはお金を返してください」(日経ビジネスから引用)

と言われてしまったというのです。

 

この言葉、あなたならどう受け止めますか。

26億円を本気で返せ」と言われたと取るか、

1回失敗したくらいでビビるな。次に挽回しろ」という

励ましに取るか。

それは人それぞれでしょうが、柚木社長は残ったというんです。

 

といっても、周囲が心よく再出発を

応援してくれるはずでがありません。

本人だって居場所がなかったと思います。

 

それでも、再度チャンスを与えられるまでになり、

最後にはそのチャンスを活かした。

それが、ジーユーの立て直しだったとのこと。

 

柳井会長にとって、FRを誰に継がせるかは大きな課題。

これまでも、大きな授業料を払ってきました。

26億円損しようが、

それが次のリーダーが育つのであれば安いもんだ」という

気持ちがあったのかもしれません。

 

もちろん、26億円の授業料を払っても価値のある人材との

想いがあったからこそなんでしょうね。

柳井会長の思い切りにはただただ驚くばかりです。

 

P.E.ドラッカーは、著書「現代の経営(上)」の冒頭で、

こう語っています。

「マネジメントとは、

事業に命を吹き込むダイナミックな存在である」。

 

事業の命を絶やすのも、命を吹き込むのもマネジメント次第。

その覚悟を、見込ある候補者に伝えたかったんでしょうね。

柚木社長がFRの次のリーダーになる可能性は

十分にあると感じました。

 

今日教訓

マネジメントとは、事業に命を吹き込むダイナミックな存在である

 

今日の教科書

「現代の経営(上)」

(著者:P.E.ドラッカー 発行:ダイヤモンド社)

 

 

 

ちなみに

柳井会長の経営に対する考えをもっと知りたい方には、

こちらもおススメします。