地上絵は地上から | 絶対(不)自由

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悠久の風に吹かれながら・・・
アジア横断・北南米大陸縦断を終えて、オーストラリアで働いて、
南太平洋のアイランドホッピングも終えて、オーストラリアも一周して、
今度は行ってない東南アジアを行こうと思った。

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セスナからのナスカの地上絵(コンドル)

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マリア・ライヘ女史の展望台

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わだちの様な地上絵と遠くに見える蜃気楼「逃げ水」

がっかりスポットらしいけど、色々知ってる分、個人的にはかなり楽しめた。


4月3日
朝6時ごろ、Chinatsu嬢にお別れの挨拶として叩き起こされる。マチュピチュ楽しんで!
朝飯を食ったら、ナスカへ行くためバスターミナルへ。ターミナル行きのコレクティーボはエル・ソル大通りAv. El Solから出ている。フロンとガラスには一回s/.0.70と書いてあるのに、何故かs/.0.60だった。一回約20円か、安っ!しかしミニバンの中は人でぎゅうぎゅう詰め。こりゃ大きな荷物を持っては乗れないな・・・。
早朝と違ってバス会社の窓口のほとんどが開いてるんで、値段とサービスを片っ端から聞いて回る。CIALというバス会社がナスカまで午後5時発でs/.80で取り扱っていたんで購入。一応s/.70というところも見つけたんだが、CIAL社は夕食と朝食のサービスが着く。
コレクティーボに乗って宿に戻り、バカップルやIto嬢らと一緒に近くのイスラエル料理屋へ昼飯を食いに行く。クスコまで来て何でイスラエル料理なんだ?まぁ何でもいいけど。
中に入ればイスラエル人だらけ。まぁ当たり前だけど、そこいら中からヘブライ語が飛んでくる。バカップルはイスラエル料理が初めてのようで、見た目旨そうなショクシュカを頼んでいた。俺はやっぱりファラーフェル。タヒーナとの組み合わせは格別だ。
ちょっとしたスペイン語講座をやったりしながら、時間も迫ってきたんでみんなとお別れ。別れ際、三日前にナスカで銃撃戦があったんで、気をつけるようにとみんなから言われる。何をどう気をつければいいのか若干疑問だが、まぁ頭の片隅に置いておこう。何もないとは思うけど。
バスターミナルまではタクシーを利用する。大体s/.3で、こちらも十分な安さだ。
待ち受けていたバスは、いつも通りの二階建てバス。出発間際にビデオカメラで一人一人顔を写される。セキュリティーとのことだ。意味あんのか?
それにしても、ペルーのバスはアルゼンチン以上に快適だ。本当、南米の旅は超簡単だな。


4月4日
朝7時ごろ、ナスカに到着。さっそく客引きが群がって来る。
一人の客引きが、リマまでの夜行バスを扱っているのはFlores社だけ、と案内してくれた。リマまで午後10時出発s/.45、かなり時間が余った。
案内してくれた客引きについていき、セスナの料金を聞いてみる。US$80~125と飛行機の種類によって違うわけだが、つうか何だね、たかだか40分ぐらいのフライトに80ドルって・・・
彼に見切りをつけて、s/.5のタクシーに乗って空港へ直接行ってみた。しかし結果は同じく80ドルから。非常に迷ったけど、マチュピチュに行けなかった分を発散する、という思考からセスナに乗ることに決めた。
人生二度目にして南米でも二度目のセスナ。やはり機体が小さい分、離陸の時がなんとなく怖い(笑)
まるで中国の新疆ウイグル自治区のような砂漠と緑が混在する風景を眼下に、平らな砂礫地帯に進むと、ようやくそいつらが見えてきた。聞いていた通り、若干目を凝らさないと薄くて見逃してしまいそうだ。ハチドリ、サル、コンドルやフラミンゴは絵の繊細さからやっぱりすごいと思うんだが、クジラと宇宙飛行士は、ぶっちゃけ落書きレベルだ。あと急旋回をしたりするんで、普段は酔わない俺だが、さすがに寝不足も絡んでたんで酔いそうになった。
そんなこんなで、ナスカのハイライトは40分ほどで終了。US$80(s/.220)に空港税s/.25、合計s/.225(約7,420円)!これは絶対高いな・・・。
値段交渉の際に帰りのタクシーはタダにしてもらってたんで、それを待つ間に少しでも寝ておく。15分とか言っといて、ガッツリ1時間近く待たされた。まぁおかげで良く寝られたけど(笑)
町に戻ってs/.6の定食を食い、続いてマリア・ライヘの展望台「ミラドール」を目指す。イカIca行きのバスでs/.2で行ける。
30分ぐらいでミラドールに到着。辺りは砂礫が広がるだだっ広い砂漠地帯だ。マリア・ライヘが観測に使ったという展望台は、簡素な鉄塔って感じで、登るのにs/.2取られる。なんか頼りない鉄塔を登ると、左右に「木(根?)」と「手」の地上絵が見える。別に雰囲気だけ味わいたいって人は、これだけで十分な気がする。それぐらいちゃんと見える。セスナと違って近くで見れるんで、本当にわだちみたいな溝が一筆書きで綴られた、地上絵がしっかり確認できる。
地上絵には何個か仮説があるが、十年ぐらい前に見たテレビ番組では、ナスカの地上絵は「水路」である、という説が取り上げられていた。リマを含むナスカ周辺のパンパは昔から降水量が年間30mm程度と極めて少なく、度々ひでりに苦しめられてきた。そこで当時の古代人は、遠くに見える手に入らない水「逃げ水」を引き込もうと、一筆書きの地上絵を描いた、というものだ。なんとも当時の人の儚い思いが感じられて、とてもロマンチックで好きな説なんだが、宇宙飛行士みたいに山の斜面に描かれた地上絵もあるんで、これ単体で成り立つ説ではないと思う。非常に似た説で、楽団が練り歩く「雨乞い説」も有力だし、マリア・ライヘが説いた天体測量の「暦法説」も納得だし、社会事業として使われたって言うのももっともだ。まぁ人間が作り出したものなんで、全部の説が包括的に機能してたと思うんだけど。
夜には「ナスカ・リネス・ホテルNazca Lines Hotel」のプラネタリウムへ行ってみる。通常入場はs/.20なんだが、学割が効いてs/.10で入ることが出来た。ちなみに今夜は全員日本人(笑)
暦法説を中心にナスカの地上絵を解説してくれる。地上絵のいくつかは星空の星座と合致するらしく、また何本も引かれた直線のいくつかは夏至と冬至の日没の位置を示しているとかで、ナスカ文化の人たちも、マヤ文明に負けず劣らずの天文の民だったと覗える。
いや、なかなか面白かった!やっぱり、なんとなく有名だからってだけで来たら、ただ単に古代人の落書きを見るようなもんだから、面白いものではないと思う。古代遺跡とかを見るときはそれなりに予習していったほうがきっと楽しめるはずだ。
そんな訳で、生暖かい風が出る空調の効いたFlores社のちょっとボロいバスに乗って、南米最後の都市リマへと歩を進めた。


4月5日
早朝5時半、リマに到着。目星の宿は日本人宿「江田イン」だ。最後の最後で日本人宿か、とも俺も思ったが、やっぱり知り合いがいたら楽しくなりそうだしね。
タクシーの客引きの中からs/.15で行ってくれる奴に乗り込み行ってみたものの、なんと予約で全て埋まっていた。オーナーに「ミラフローレスが良いんじゃないですか?」みたいなあしらいを受けて、またもやs/.10もするタクシーに乗って、ミラフローレス地区にある「フライイング・ドッグFlying Dog Hostel」にチェックイン。一泊s/.30と安くないが、WiFiはサクサクで、お洒落なカフェでの朝食がついている。
さっそく町歩き、と行きたいところだが、ウユニからクスコまで涼しい高山地帯にいたため、気温25℃前後は暑すぎて動く気にあまりならない。スーパーでPilsen Callaoというビールを買って、ネットしながらずっと飲んだ暮れていた(笑)
しかしペルーも酒が安くないな。ビール一缶が73円ぐらいだ。まぁその分普通に旨いから良いんだけど。



もうすぐ、この北南米大陸縦断の旅も終わります。ワーホリ含めて一年半ほどの旅でした。
ちょっと享楽的に旅し過ぎたんで、物価が安いと思っていた中南米で、思わぬ出費が嵩んでしまいました。逆に北米のほうが上手く立ち回れた旅が出来てた気がする・・・。
あと、航空券でしくじったり(約US$900)、カナダのタックスリターンを業者に頼んだらアホみたいに目減りしたりで(約US$1500)、ぶっちゃけUS$2400(約20万円)ぐらいの損害が出てたりします。帰りの航空券買えたね。何故なんだ、畜生!

実はちゃっかり次のステップを考えてたりします。まだワーホリできるんでね・・・(笑)

まぁ帰るまでが遠足なんで、この日記もあと次の一回ぐらいで一旦終わります。まぁまた近いうちに再開すると思うんで、またそのときまで。

それじゃ!