株式会社バンザン「令和5年1月12日」 | 林田学監修:薬事法ドットコム 措置命令データブック

林田学監修:薬事法ドットコム 措置命令データブック

弁護士出身の実業家・林田学です。景表法のプロ薬事法ドットコムが措置命令についてお伝えしていきます。

Ⅰ.分類

1.誤認類型

優良誤認、有利誤認

 

2.表示媒体

ウェブ、紙、動画

 

3.業界

その他

 

Ⅱ.違反行為者

株式会社バンザン

 

Ⅲ.措置命令の概要

⑴ 優良誤認表示

ア 対象役務

(ア) 「メガスタ高校生」と称するオンライン個別学習指導に係る役務(以下 「メガスタ高校生」という。) 

(イ) 「メガスタ医学部」と称するオンライン個別学習指導に係る役務(以下 「メガスタ医学部」という。) 

(ウ) 「メガスタ中学生」と称するオンライン個別学習指導に係る役務(以下 「メガスタ中学生」という。) 

(エ) 「メガスタ私立」と称するオンライン個別学習指導に係る役務(以下 「メガスタ私立」という。) 

(オ) 「メガスタ小学生」と称するオンライン個別学習指導に係る役務(以下 「メガスタ小学生」という。)(以下(ア)ないし(オ)の各役務を併せて「本 件5役務」という。)

 

イ 対象表示

(ア) 表示の概要

a 表示媒体

別表1ないし別表3「表示媒体」欄記載の表示媒体

 

b 表示期間

別表1ないし別表3「表示期間」欄記載の期間

 

c 表示内容(表示例:別紙1ないし別紙5別紙6ないし別紙11別紙12ないし別紙19

(a) 本件5役務について、例えば、令和4年4月4日及び同年5月10 日から同年6月21日までの間、自社ウェブサイトにおいて、「オン ライン家庭教師で利用者満足度No.1に選ばれました!」、「第1位 オンライン家庭教師 利用者満足度」等と表示するなど、別表1「対 象役務」欄記載の役務について、同表「表示期間」欄記載の期間に、 同表「表示媒体」欄記載の表示媒体において、同表「表示内容」欄記 載のとおり表示することにより、あたかも、バンザンが提供する本件 5役務及び他の事業者が提供する同種又は類似の役務(以下「同種役 務」という。)を利用した者に対する利用者の満足度を客観的な調査 方法で調査した結果において、同社が提供する本件5役務に係る利 用者の満足度の順位が第1位であるかのように示す表示をしていた。

 

(b) 本件5役務について、例えば、令和4年4月4日及び同年5月10 日から同年6月21日までの間、自社ウェブサイトにおいて、「第1 位 オンライン家庭教師 口コミ人気度」と表示するなど、別表2 「対象役務」欄記載の役務について、同表「表示期間」欄記載の期間 に、同表「表示媒体」欄記載の表示媒体において、同表「表示内容」 欄記載のとおり表示することにより、あたかも、バンザンが提供する 本件5役務及び他の事業者が提供する同種役務に関する口コミの人 気度を客観的な調査方法で調査した結果において、同社が提供する 本件5役務に係る口コミの人気度の順位が第1位であるかのように 示す表示をしていた。

 

(c) メガスタ高校生について、例えば、令和4年4月4日及び同年5 月10日から同年6月21日までの間、自社ウェブサイトにおいて、 「第1位 AO・推薦入試にお勧め出来るオンライン家庭教師」と表 示するなど、別表3「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体」 欄記載の表示媒体において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示す ることにより、あたかも、バンザンが提供するメガスタ高校生及び他 の事業者が提供する同種役務について、AO・推薦入試対策のための 役務として推奨できるものであるかを客観的な調査方法で調査した 結果において、同社が提供するメガスタ高校生の順位が第1位であ るかのように示す表示をしていた。

 

イ 実際 

a 前記(ア)c(a)について、バンザンが委託した事業者による調査は、回 答者にバンザンが提供する本件5役務及び他の事業者が提供する同種 役務の利用の有無を確認することなく実施したものであり、バンザンが 提供する本件5役務及び他の事業者が提供する同種役務を利用した者 の満足度を客観的な調査方法で調査したものではなかった。

 

b 前記(ア)c(b)について、バンザンが委託した事業者による調査は、回 答者の条件を付さずに当該事業者に登録している会員全員を対象に、設 定した回答者数に到達するまで実施したものであり、バンザンが提供す る本件5役務及び他の事業者が提供する同種役務に関して口コミの人 気度を客観的な調査方法で調査したものではなかった。

 

c 前記(ア)c(c)について、バンザンが委託した事業者による調査は、回 答者の条件を付さずに当該事業者に登録している会員全員を対象に、設 定した回答者数に到達するまで実施したものであり、バンザンが提供す るメガスタ高校生及び他の事業者が提供する同種役務に関してAO・推 薦入試対策のための役務として推奨できるものであるかを客観的な調 査方法で調査したものではなかった。

 

 

⑵ 有利誤認表示

 

ア 対象役務 

(ア) メガスタ高校生 

(イ) メガスタ医学部 

(ウ) メガスタ中学生 

(エ) メガスタ私立 

(オ) メガスタ小学生

 

イ 対象表示

(ア) 表示の概要 

a 表示媒体 

自社ウェブサイト 

 

b 表示期間 

別表4及び別表5「表示期間」欄記載の期間

 

c 表示内容(表示例:別紙2ないし別紙6別紙9ないし別紙11別紙14、別紙15及び別紙18

 

(a) 本件5役務について、例えば、令和4年4月12日及び同月30 日、「オンラインプロ教師メガスタ 『返金保証』と『成績保証』」、 「ご不安なく始めていただくために、2つの保証制度をご用意して います。」、「返金保証」、「4/30まで」等と表示するなど、別表4「対象役務」欄記載の役務について、同表「表示期間」欄記載の期間 に、同表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、 同欄記載の期限までに申し込んだ場合又は入会前の学習面談を受け た場合に限り、入会金及び4回分の授業料が返金される「返金保証」 と称する制度(以下「返金保証制度」という。)を利用できるかのよ うに表示をしていた。

 

(b) メガスタ高校生、メガスタ私立及びメガスタ中学生について、例 えば、令和4年4月12日及び同月30日、「オンラインプロ教師メ ガスタ 『返金保証』と『成績保証』」、「ご不安なく始めていただく ために、2つの保証制度をご用意しています。」、「成績保証」、「4/ 30まで」等と表示するなど、別表5「対象役務」欄記載の役務につ いて、同表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示内容」欄記載の とおり表示することにより、あたかも、同欄記載の期限までに申し 込んだ場合に限り、通常授業1か月分と同時間分の追加授業を無料 で受けられる「成績保証」と称する制度(以下「成績保証制度」とい う。)を利用できるかのように表示をしていた。

 

(イ) 実際 

a 前記(ア)c(a)について、別表4「表示内容」欄記載の期限後に申し込 んだ場合であっても、返金保証制度を利用できるものであった。 

b 前記(ア)c(b)について、別表5「表示内容」欄記載の期限後に申し込 んだ場合であっても、成績保証制度を利用できるものであった。

 

⑶ 命令の概要

ア 前記⑴イ(ア)の表示は、前記⑴イ(イ)のとおりであって、それぞれ、本件5 役務の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であ ると示すものであり、かつ、前記⑵イ(ア)の表示は、前記⑵イ(イ)のとおりで あって、それぞれ、本件5役務の取引条件について、実際のものよりも取引 の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であり、景品表 示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。

 イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。 

ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

 

 

Ⅳ.メディアの報道

 

「バンザン」は、ウェブサイトやパンフレットの広告で「利用者満足度第1位」や「口コミ人気度第1位」などと宣伝していたが、バンザンから委託された事業者による調査は実際に利用していなくても誰でも回答が可能だった。また、調査の内容も複数の家庭教師業者のサイトのURLを掲載し、「どの会社のサイトが満足度が高いと思うか」とイメージを聞いたものだった。

消費者庁はこうした品質が優良であるかのように装う広告が蔓延しているとして「どういう調査がされているのか一歩引いて見てほしい」と注意を呼び掛けている、と報じている。(テレビ朝日)

 

Ⅴ.薬事法ドットコムからのコメント