1990年11月にリリースされたこのアルバム。そう、B’Zの4枚目オリジナルアルバム「RISKY」である。

言わずと知れた人気アルバムだ。ミリオンセラーにも入っている。初回版は豪華な感じのする紙ケースにアルバムが入っており、紙ケースの真ん中は、メンバーふたりの姿が見えるように円状にくりぬかれている。それと初回版にはミニ写真集までもついてあった。
現在、この初回版は入手困難であり、中古店にあったとしても、プレミア価格である。
さてアルバムの特徴について解説しよう。B’Zはここにきて今までやってきたデジタル路線に一定の区切りをつけたといっていい。まさにこのアルバムで、デジタルとロックの融合を確立させ、さらに稲葉節といわれる歌詞も定着し、初期B’Zの完全集大成的な作品がついに出来上がったと言ってもいい。
実はこのアルバムはB’Z初の海外レコーディングであり、外国人プロデューサーのジェイソンコーサロによるトラックダウンが起用された。ちなみに場所は米国NYである。
このアルバムにはシングル2曲が収録されている。「easy come,easy go!」のリミックスバージョンと、「愛しい人よ Good Night…」である。
シングル曲以外のアルバム曲には「HOT FASHION」などのパンチの効いた曲や、不倫ソング「確かなものは夢の中」、面白滑稽な「Friday midnight blue」など、かなり楽しめる曲が満載だ。
結局、B’Zは本作において、「B’Zとしての礎」、「B’Z色」を確立させ、初期アルバムから始まる試行錯誤に一応ピリオドを打った。それはまさしく、初期B’Z楽曲の血肉となっていた「TM小室デジタル路線」をいったんここで全て吐き出し、B’Zがさらなる飛躍をするための基礎固めをしたとも思える。ただ、吐き出すと言っても、ロックというものをデジタルと融合させ、「デジロック」という形で昇華している点において、B’Zはやはりただ者ではないということを改めて認識したのは筆者だけだろうか。
さらにこのアルバムをベースに作られたB’Z初の映像ビデオ作品「Film Risky」なるものがリリースされているが、いまだにDVDでのリリースはされていない。その内容は、もちろん当アルバム収録曲のPVであるが、なぜか「愛しい人よ Good Night…」の2nd Beatである「guitar kids rhapsody」のPVがあるのが不思議で、今でも府に落ちないのは筆者だけだろうか。
さて次は、ここで培ったデジロックスタイルをさらに極めるため、ちょっどハードな形のミニアルバムを登場させようとするB’Z。だが、その前にパイロット版的なシングルを発表する。
それについてはまた次回で…。