
東京都現代美術館で開催中の、メアリー・ブレア展に行ってきました!
メアリー・ブレア(1911-1978)は、アメリカのアーティスト(画家)です。
幾つものディズニー映画のコンセプト・アートを手掛け、
イッツ・ア・スモールワールドのコンセプトを考えた、
ウォルトより絶大な信頼を得ていた、という女性です。
最初の展示は、メアリーの旦那様で画家のリー氏と、その親族の手による絵画から始まります。
リー氏は、オリンピック(美術部門!)の金メダリストで、やはりディズニー社の優秀なアニメーターでした。
そして、メアリーの水彩画。
これまでの水彩画の技法を覆す、メアリーやリー氏の筆致は、「カリフォルニア・スタイル」と呼ばれ、1930年代から1950年代にかけて、支持を広げることになります。
しかしアメリカを襲う大恐慌と、西海岸地域の興隆により、当時急成長しつつあったアニメーションや映画制作の会社に彼らはその才能を請われ、実力を発揮して行きました。
次の展示では、いよいよディズニーでの仕事に迫ります。
メアリーの仕事は、コンセプト・アートと言って、作品のモチーフになる作画をすることでした。
例えば『ふしぎの国のアリス』や、『シンデレラ』を、どんな女の子として描くか…から、背景、舞台設定、シーン毎の構図や色彩のイメージなど、その内容は多岐に渡ります。
今でいう、『絵コンテ』みたいなものでしょうか。
ここでは、『ファンタジア』、公開されなかった未発表作品の『ベイビー・バレエ』(超可愛い!)など、ディズニー社での初期の作品が展示されていました。
次の展示は、メアリーがウォルト・ディズニーやアニメーターと共に出掛けた、南米への視察の時のスケッチや日記などです。
強烈な光や自然の色、多様な配色の民族衣装…メアリーにとって斬新に映った色彩が、スケッチされて残されていて、この旅が、後の色彩感覚に影響を与えたことが伺えます。
そして次の展示が、1番楽しみにしていた、有名なディズニー映画のコンセプト・アートです。
『シンデレラ』(1950年)
『ふしぎの国のアリス』(1951年)
『ピーター・パン』(1953年)
これらの映画の元になった絵の原画は、とても繊細で美しく、その色彩の配色は、目をみはるくらい素敵で、本当にときめきました。
アリスの世界の、なんと愛らしいこと!
シンデレラの部屋は、無意識のうちにシンデレラの孤独な気持ちが伝わってくるような配色にしてあるそうです。
本当に、シーン毎に色彩がよく考えられています。
ピーター・パンの、夜の世界の色の豊かさ。闇は決して黒ではなく、無数の色が存在しているのがわかります。
また、
『青い自動車』(1952年)
『小さな家』(1952年)
といった短編のコンセプト・アート、そして映画も、ここで観ることが出来ます。
次の展示エリアへ向かうと、そこはNY時代。
子育てに、より多くの時間を費やしたいと、ディズニー社を離れ、NYで絵本作家、そして広告デザイナーとして、新しい才能を開花させた頃の作品です。
『ココアガール』と呼ばれる広告のイラストは、ココアとミルクを手に、『美味しい!嬉しい!』と喜びを弾けさせる女の子の絵。
絵本も広告も、素朴で温かみのある、愛らしい作品ばかりでした。
次の展示は、ディスニーランドのアトラクション、『イッツ・ア・スモールワールド』のデザイン原画など。
見上げると、上には大きな外観や内部のデザイン画がかかっていて、さながらディスニーランドにいるよう。
ここでは、絵の具だけではなく、レースやカラーセロファン紙など、紙以外の物を切ってコラージュの手法を取り入れているのがわかります。
ディスニー・ワールドの中のホテルに描かれたカラフルな壁画などの模型も展示されています。
最後の展示は、晩年のメアリーの作品や、私物が並びます。
2人の息子の肖像画や、南国を思わせる色彩の裸婦などは、これまでの彼女のタッチと少し違っていて、開放的な印象です。
記念撮影が出来るコーナーもありました。
そして思わず「欲しい!」と思うような、記念グッズも充実していました。
ディスニー好きならもちろん、そうでなくても、豊かな色彩とイメージの世界に魅了されてしまう、素敵な原画展でした。
土曜日の午前中に行きましたが、それほどの混雑はありませんでした。
中はとても冷房が効いているので、薄手の羽織りものがあったら持って行くといいかも。
10月4日まで開催しているので、お近くの方は足を運んでみてはいかがでしょうか♪