Someone is sobbing... -2ページ目

みぞれ

霙がボタリと音を立てた
雪になりきれない重いしずく

ボタリボタリと傘を鳴らして
ずるずると流れながら溶けていく

生きたくて逝きたくて
必死に押し付けた刃を
思い切り引くと
白い肉がキレイに口を開けて
ふつふつと噴き出す赤い珠
あの時の恍惚を思い出した

何故だろう
似ている
やり切れない感情と
悦に入った恍惚の
入り混じった感覚

ああ 頭がぼうっとする
少し疲れているようだ

美人

人はこれほどまでに
美しくなれるのか
ひとすじの光は
強く空を裂いた指先から
地にべたりと着いた足の先まで
柔らかく照らした


しなやかに反ったその背を流れ
時は刻まれるのを拒む
その瞬間全身が粟立ち
抑えられないものが身体を縦に走った


止まらない涙は讃えている
その美しさは
もはや武器にさえなりうるだろう
突き上げて揺さぶって叩きつけ
魅了される


なんてことだ
これほどまでに
人は美しくなれるのだ

糸雨

白糸のような雨
落葉の錦に降って
ああ 今日は
空と地がつながる日なのだ と
気付く
何億本もの白糸が
空を地へ
地を空へ
つないで行くのだ