-村夜-
霜草蒼蒼虫切切 村雨村北行人絶
独出門前望野田 月明蕎麦畑如雪
秋深く虫すだく 村の道に人影もない
独り門前に出で山野を望めば 月明らかにして蕎麦畑の花 雪の如し
白居易(白楽天)が40歳、母を亡くし郷里の下邽(かけい)に帰って喪に服していた時に詠んだものです。
辛く悲しい中で見た月夜に浮かぶ蕎麦の花は、さぞ幻想的で神秘的に映ったでしょうね。
白居易(772~846)は唐中期時代の詩人で極貧な家に生まれました。
努力を重ねて官吏の登用試験である難関科挙に合格し、官僚出世をして法務大臣にまで登り詰めました。
正統調子で2800余りの詩を書きましたが、楊貴妃を詠った「長恨詩」は有名ですね。
古来日本人に親しまれた詩人の一人で、教科書にも登場しますが、李白や杜甫は、先輩格になります。
※日本に於いても、名のある詩人・歌人・文豪が蕎麦に纏わる沢山の言葉を残していますね。
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