日本料理に欠かせない山葵は日本特産の香辛料で、癖がなくて素材の持ち味を引き立ててくれます。
アブラナ科の多年草で香辛料としての根茎だけでなく、花・葉・花茎も食用に用います。
冷涼な気候と清らかな流水を好み、山間の渓流に自生し現在は栽培品で殆どが「沢わさび」ですが、高湿気で夏場でも涼しい畑で栽培する「陸わさび」もあります。
因みに粉わさびの主産地は北海道で、主原料の西洋わさびは乾燥したものを粉末化して作り、本わさびとは別物です。
わさびは平安時代に記された文献(918年刊)に登場し、鎌倉時代には精進料理に用いられたそうで、室町時代には鯉の刺身にも。
わさびは1596~1615年に入ってから、現在の静岡・安倍川・上流で栽培が始まったそうですが、家康はわさびの風味を気に入って門外不出の御法度品にしたとか。
沢わさびは(平地式)(畳石式)(渓流式)など様々な形式があり、長野・静岡・島根が有名で、1713年に刊行された百科事典では「蕎麦の薬味に山葵は欠かせない」と既に書かれていますが、かなり高価だったようです。
寿司に山葵が使われるようになったのは意外に新しく、文政年間(1818~1830年)あたりとされます。
(そば・うどん)のボタンをクリックして頂きますと励みになります。
↓