翌日、店長と話し合った結果、




お客さんや他のスタッフに呼ばれた時以外はレジにいることに。




つまり、売り場には出れないということ。




コレ、相当モチベーションダウン・・・。




しかも、普段あんまりレジにいないから、




レジスタッフの中でも浮いてるし・・・。









とりあえず1日が終わって、帰宅して、




もう、明日から出社拒否になりそう・・・・・。










溜息しか出てこない・・・。








こんな時には・・・







声が聞きたくなる・・・






誰の?





わかんない・・・





とにかく、隆史の携帯に電話してみる。











「留守番電話に接続します」








まだ仕事中か・・・。







さらに落ち込む。







そうだ、浩介にメールしてみよう。







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今日から私、レジになっちゃった


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そしたら、メール送信して1分もしないうちに、




浩介から電話がきた。







「大丈夫?」






私がかなり落ち込んでるのがわかったみたい。





「・・・・あんまし大丈夫じゃない・・・かも・・・」





自分でも驚くぐらい、ものすごく暗い声。




「だよね・・・あ!そうだ!」




「??」




「あのさ、玲奈ちゃん、次の休みはいつ??」




「明後日だけど??」




「あのさ・・・



もしよかったら、どっか行かない??」





「え!?」





「気分転換にさーー!!



どっか行きたいところないの??」





「行きたいところ?」





「行きたいところ、どこでも付き合うよ!」





「・・・そうだなぁ・・・」





しばらく考えて、私が出した答えは・・・










「・・・水族館・・・に行きたい」





「よし!じゃあ、決まりね!」









それが、浩介とのはじめてのデートになった。



病院にはあまり行かないから、どこに行こうか迷ったけど、












やっぱ自宅の近くの整形外科にした。












病院に着くと、午後の診察が始まったばかりで、待合室には老若男女が待っていた。












置いてあった雑誌を読んで時間を潰す。












呼ばれて診察室へ。












症状を話す。












診察して、念のためレントゲンも撮って、












お医者さんは、ちょっと口ごもりながら言った。












「大変言いづらいのですが・・・












この症状は、いわゆる・・・五十肩です」












「えっ!??ごじゅうかた???」












えーーーーーーーーーーーー!?












まだ20代なのにっ!!!!!












お医者さんの説明は続く。












「そう、五十肩。いえ、結構ね、若い方にもあるんですよ。たとえば、重いものを持つ仕事とかドライバーさんとか」












「そ・・・そうなんですか・・・」











でも、そんな病名、女の子が口にしたくないよね・・・。












「とりあえず、しばらくは肩や腕をあまり動かさないようにしてください。重いものを持つのもね」












「あ、、、、あの、仕事的に重いものを持つことが多いんですけど・・・」












「ああ、それじゃ、一応診断書を書きましょうか?」












「あ、はい・・・お願いします」












と、いうわけで、診断書を書いてもらい、湿布をもらって帰ってきた。












はああああああ・・・ためいきが出る。












明日から仕事どうしよう・・・とりあえず、店に電話して店長に診断結果を告げた。












「・・・じゃあ・・・そうだな・・・しばらくはレジにでも入るか?」












「えっ!?いえ、別に重いものを持つとかしなければ通常業務ができるかと思いますが・・・」












「でも、そんなんじゃお客様のお荷物もお持ちできないだろう?」












「はあ・・・・・そうですね・・・」












「ま、とりあえず明日出社してから相談しよう。とりあえず今日はゆっくり休んで」












「はい・・・ありがとうございます・・・」












電話を切ってからも憂鬱だった。












レジ??それって売り場担当者にとっては結構ツライ仕打ちだよ・・・












あーーーーーあ、なんでこんなことになっちゃったんだろ・・・












とりあえずこの落ち込みようを誰かに聞いてもらいたくて・・・











浩介にメールした。












無意識のうちに、隆史じゃなくて浩介に。












浩介からは、












「え!?マジ!?大丈夫なの!?普段がんばりすぎてるんじゃない??女の子なんだからさ、重いものは男に持たせたっていいんだよ!明日からもあんまり無理しないでね!」












という返事をもらった。












ちょっと嬉しかった。でも、それじゃあ「所詮オンナだな」って眼で見られるのがこの業界だから・・・。











だからちょっと、話を聞いてもらっておいて言うのは悪いけど、返信しづらかった。












とりあえず「ありがとう」という感謝の内容のメールは返したけどね。













夜になって、隆史にも電話で今日のことを話した。












私が、「五十肩」って言ったら、












「ぶはっ!ババくせぇ~!!」












と言われてショックだった。












それはないよねー、ちょっとは心配してよね!












浩介は私のことを気遣ってくれたのに・・・












また比べてしまったけど・・・












でも浩介に話しても隆史に話しても、やっぱり憂鬱な気分は晴れなくて。












あーあ、明日店長と相談するのイヤだな・・・売り場に出れなかったらイヤだな・・・












色々考えてなかなか眠れなかった。



あの日以来、浩介とは会っていない。






あの日とは、探偵ゴッコをしたをした日。






隆史とは会った。






隆史からのホワイトデーのプレゼントは、キーケースとブレスレット。






一緒に買いに行って選んだ。






なんか、隆史に申し訳ない気がした。






またしばらく土日に仕事は休めないけど、それなりにシアワセな日々だった。











四月に入って、新生活応援フェアも一段落して、またいつものペースに戻った。






「ありがとうございましたー!」






1時間も接客して、今ようやくお客さんを見送ったところ。






なんかちょっと肩こったな。






「休憩終わりましたー」






「はーい」






私も休憩してこよう。






店の事務所のわきにある自販機でウーロン茶を購入。






うーーーーーーーーーーーーーん。






腕を伸ばして思いっきり伸びをする。






たまにはストレッチしなきゃね。






で、もう1回・・・






・・・





あれ?






さっきは上に上った右腕が、今度は何故か上がらない。






え?






あ、まただ。






またこのあいだの痛みが襲う。






でもこのあいだと違ったのは、腕が上がらないということ。






手のひらを握ったり開いたりしてみる。






それは大丈夫そうだ。






痛いといっても激痛でもないけど。。。







どうしよう・・・






とりあえず・・・






「店長・・・」







事務所にいた店長に話しかける。






「ん?なんだ?」






「あの・・・腕が・・・肩が痛くて腕が上がらないんです」







「え?どうした?怪我したのか?」






「いえ、そうじゃなくて・・・前から時々痛かったんですけど、今日はこれ以上腕が上がらなくて」






そう言って、私は腕を動かそうとして持ち上がらない様子を見せた。






「うーーーーん・・・とにかく、今日は早退していいから、病院に行ってきなさい」






「・・・はい・・・」






そこで、私は、お昼ごはんも食べず、さっき買ったウーロン茶も飲まずに、パートさんに引き継ぎをして、私服へ着替えて店を後にした。






車の運転はできるのか??






とか思ったけど、やるしかない。






ハンドルを回す度に痛みが走るけど、仕方無い。






そのまま病院へ向かった。