先日、義母用の缶チューハイを義父に飲まれてしまった話を書いていて、
義父のお酒について、書きたくなった。
(義父のことは、いつか別に書きたいと思っているが、義母のネタが尽きない)
義父は、趣味の庭仕事に励む老後を送っていて、
昼と夜に、ビールと、ベルモットの赤と白を、美味しそうに飲んでいた。
残念ながら脳梗塞で倒れ、麻痺が残って庭仕事は出来なくなり、
老後の第二ステージに突入した。
(義母はあの人は何もしていない、というが、そのままの義父を認めようよ)
それでも、適度なアルコール摂取は大丈夫。
お酒は唯一の楽しみになっていたので、辞めさせるつもりはなかった。
だが、しかし
朝のニュースで、ちょっとでもお酒が映ったりすると
スイッチが入り、勝手に開けてしまう
朝だろうがなんだろうが、時間なんて関係ない。
家族は『ノンアルコールビール』を導入した。
時々、『これはなんだ!』とバレたが、
認知機能低下も進むうちに、ビールだと思って飲むようになった。
残るアルコールは、ベルモットである。
ちょうど一年前に、軽い脳梗塞の再発で、入院をした。
血液サラサラ薬を増やしたので、出血したら止まらない。
絶対に転ばせてはならない
これを機に、ベルモットもやめてもらおう。
義父が退院してくる前に、ベルモット用のグラスを、隠した。
ベルモットの空き瓶に、赤葡萄と白葡萄のジュースを入れて、
ダミーを作って、冷蔵庫に入れておいた
(色が赤ワインと白ワインに似てるのは、商品名ウェルチ)
「おい、お酒!」
「ハイ!」 ノンアルビールを出す
「なんだ、これだけか?」
「前から、これだけだよ、退院して飲めるようになって良かったね」
義父は、赤と白を飲むとは言わなくて、偽装工作も不要だった。
こうして、ベルモットは自然とフェードアウトした。
今でも、スイッチが入ると、朝でも勝手に飲んでしまったりする義父
「ちょっと!朝からお酒なんか勝手に開けて!おかしいでしょ!」
朝からお酒はおかしいことが、義父にわかると思う?
「のどが渇いてたから、自分で水分補給しちゃったんだね~」
勝手に飲まれたくなければ、隠しておけばいい。
中身はノンアルなんだし、もう怒らなくてもいいのでは?
というわけで、義父の楽しみのお酒は、実はアルコールではない。
でも、ノンアルビールを美味しそうに飲む義父をみるのは、素直に喜ばしいことだ。
その暮らしが、長く続いてくれることを、家族は願っている。